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ケアンズの南を目指せ **ビーチ&ファームステイ**

6.オンボロトラック小川を渡る




 シンディはバギーを操りながら、牛たちを追っていた。
 手当たり次第に牛を追っているように見えて、いつの間にか散らばっていた牛たちは統制の取れた動きで一ヶ所に集められ、私たちが来た方とは違う方向へ移動させられていた。
 「あっちに牛たちの水飲み場があるのよ」とシンディが教えてくれた。
 「この牛たちはね、いずれ日本にも送られるの」
 「オージービーフは日本で人気があるよ」とパパが言った。 




 パパがあれを見て、と指さした。
 後方をクリーム色のオンボロ・ピックアップ・トラックが追ってきた。
 「まさかあれ、クリークを渡ったのかな?」
 運転席にはディヴィッド。
 そして、隣でセイラが手を振っているのが見えた。
 あれ? ディヴィッドは子供たちを見ていてくれるって・・・。
 よく見ると、助手席にはぎっしりと子供たちが詰め込まれている。
 セイラ、ロッキー、カナ、レナ、みんな満面の笑み。
 ディヴィッドが子供たちをみんなトラックに乗せて後を追ってきたのだ。
 たぶんバギーに子供たちを乗せたときはクリークの手前で引き返したのだろう。
 そのかわり、安全なトラックで、パパやママの居るところへ連れていってあげると提案してくれたに違いない。
 バギーでこんなに揺れる悪路なんだもの、トラックでも遊園地の乗り物以上にスリリングなはずだ。
 子供たちの歓声が聞こえるようだ。
 凄いよ。
 もう最高。
 シンディとディヴィッドのコンビが手際よく牛たちをみんな水飲み場へ追いやると、今度はトラックが先陣を切ってクリークを渡った。
 小川ったってそれなりの水量がある。
 信じられない。
 オーストラリアでは自動車が川を渡るのだ。


ディヴィッドが子供たちを乗せてピックアップ・トラックで後を追いかけてきた

本当に車でクリークを渡っちゃうの!?





4-7.これがホントのカウガール?


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