3.ファーマーズ・ブレックファースト
昨夜夕食を食べた庭のテーブルに、もうカトラリーとマグカップがセッティングされていた。
マグカップは農場らしいコミカルな牛柄だ。
サイドテーブルにはシリアルの大箱とミルク。
パティオの隅には今朝も鶏たちがうろうろしている。
「モーニン!!」
ディヴィッドとシンディがお皿を運んできた。
大皿にソーセージとベーコンと焼きトマトと目玉焼き。
パンはこんがりとトーストされている。
こちらのソーセージは焼いてもぶよぶよとして内臓っぽい味がして、私もパパもあまり好きではないのだが、このソーセージはしっかり焼き色が付いていてとても美味しそうだ。
ディヴィッドが自分の勤め先で作っているソーセージなんだと教えてくれた。
トーストにつけるジャムがまた美味しそう。
パパイヤとマンゴーのジャム、バラの実のジャム、グーズベリーのジャム。昨日訪れたイーチャム湖の近くで作っている手作りジャムらしい。どれもこってりとした濃厚な味。
でも何よりのごちそうはやっぱりここから見る景色だろう。
白い雲がところどころ浮かんでいる他は穏やかな青空。
緑の丘がどこまでも連なる。
ふと初めてアイカンダパークにメールを送ったときの返信にこう書かれていたことを思い出した。
最後の一行。
Enjoy
your holiday on the beautiful Tablelands.
これが本当のビューティフル・テーブルランド。