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ケアンズの南を目指せ **ビーチ&ファームステイ**

1.夜明けのテーブルランド




 昨夜のディナーの席で、パパがシンディに聞いた。
 「明日の天気はどうだと思う?」
 シンディはちょっと考えた後、肩をすくめて「レイニー」と答えた。

 四日目 5月1日(日)


 もう何日もテーブルランドは雨が続いているらしい。
 そろそろ雨期も終わりだというのに、一昨日私たちが到着したときに中庭にずぶぬれで干しっぱなしになっていた衣類は、昨日も今日もそのままぶら下がっている。
 この日の朝は何となく目を覚ましたのか、それともパパに起こされたのかよく覚えていない。
 ただ、パパが「朝日が昇るところだ」と教えてくれたのは覚えている。
 「写真撮ってきて~」
 「何言ってるんだ、自分で見たいんじゃないのか?」
 だって雲の間からちらっと見えるくらいなんじゃないの?
 「いや、晴れてるよ」
 うっそー。

 慌ててコテージの裏口から外へ出てみた。
 カメラを構えようとして、カメラの電池を充電中だったことを思い出す。
 失敗失敗。
 急がないと日の出が終わってしまう。
 夜中に充電を終えていた電池をデジカメにセットし直して、改めて外へ飛び出す。




 大気が透明に澄み渡り、大地を覆う草原が呼吸しながら水蒸気を発散させている。
 なだらかな緑の丘陵地帯は、こんなにも広かったのかと改めて思うほど遠くまで続いていた。
 雲はごく低いところに帯状に伸びているだけで、上空の空は晴れ渡っていた。
 まばらに生えている林の間から、激しい朝の光が目を射た。
 夢中でカメラを構えた。
 待ち望んでいた朝だった。




4-2.さよならの前に晴れて良かった


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