22.星降る夜空
食べきれなかった分は、包んで部屋に持ち帰ることにした。
明日からはずっと自炊。
冷凍しておいて、次のアコモに着いたら有り難く頂こう。
「グンナイ」
楽しい夕げの後、シンディ一家に別れを告げて、カナとレナの手を引いてコテージに戻ろうとした。
母屋の灯りを離れ、一歩暗がりに出たら、
「うわぁ・・・」
言葉を失うほどの満天の星空。
町を遠く離れて、他に人家の影もない広大な農場で、今私たちは降るような星空を見上げている。
宇宙は遠くにあるのではない。
手を伸ばしたら、もうそこは空なのだと。
地平線から地平線までの本当の180度。
全てきらめく星に埋め尽くされて。
天の川が見えるなんてものじゃない。
天の川がどこか判らないほど星がある。
今までにも綺麗な星空はいくつも見てきたけれど、こんなにピュアな星空は初めてだ。
広い宇宙で地球がとても小さいものに感じた。
地球に生まれたことの孤独を感じた。
地平線近くに星が流れた。