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ケアンズの南を目指せ **ビーチ&ファームステイ**

16.小休止




 5時半まであと2時間半ぐらいある。
 昼間車の中でほとんど寝ていた子供たちは元気にベッドルームで遊んでいる。
 旅行先で部屋が複数あると、子供たちは勝手に自分たちの部屋を決めてしまう。旅館ならば窓の所、2ベッドルームならダブルベッドのある部屋を取られてしまう。
 荷物やおもちゃを運び込み、大人はノックしないと入っちゃ駄目とか言われる。
 今回もダブルベッドのある部屋は子供部屋に取られた。
 こちらはリビングのカウチの上で休ませてもらうことにした。
 時差に弱いパパは、今寝ると夜中に目が覚めて時差ボケが酷くなるから寝ないなどと言っていたが、時差にほとんど振り回されない私は、「じゃ、寝られるときに寝るから」とさっさと横になってしまった。


アサートンのウールワースで買ってきた食料 水の巨大ボトル、そしてアンザッククッキーとTimTamキャラメル味&チェリー味


 四時半に目が覚めた。
 というか、起こされた。
 レナが泣いている。
 はしゃいでいてベッド脇の卓上ランプに頭をぶつけたと言う。
 しょうがないなぁ、もう。

 パパは五時に起きた。念のためアラームをセットしていたようだ。
 そろそろ支度しよう。
 夕方だから風邪を引かないように着せられるだけの衣類を着せた。
 子供たちは半袖の上に長袖カーディガン。その上にウィンドブレーカー。足下はスパッツに長めの靴下。
 自分は半袖の上に長袖のカットソー、さらにTシャツみたいに薄手のウォッシャブルウールのニットを持っていたのでこれも着る。一番上にはやはりウィンドブレーカーを羽織った。
 外は既に薄暗くなっていた。
 母屋の前を過ぎて、鶏が放し飼いになっている囲いの所まで来ると、柵の外に逃げ出した鶏が一羽いた。
 カナとレナが後を追うと、母屋から出てきたロッキーも一緒になって追いかけた。
 クリスマスソングに七面鳥が逃げ出した歌があるじゃない。もうあんな感じ。

 シンディとセイラも出てきたが、もう一人母屋の廊下に背の高い人影が見える。
 「セイラ!」
 娘の名前を呼びながら出てきた強面の男性は、ほとんど口を利かずにパパと握手して、すぐにまた家の中に引っ込んでしまった。
 たぶんシンディの旦那様でセイラとロッキーの父親。
 何だかとっつきにくそう。




2-17.鶏の卵集め体験


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