ポートダグラス楽園日誌2004 6-15


15.帰路

 さて、帰りはまた揺れた揺れた。
 どのくらい揺れたかというと、デッキにいた人たちがあまりに波を被るので全員退避したくらいだ。
 ヨットは波を越え、波を越え、上へ下へぐうらぐうら。
 酔い止めを飲んでいるとはいえ、パパはいかにもやばそうな顔をしている。
 もう駄目だと船室にこもった。
 昨日のこともあってか、カナも途中で船室に戻った。彼女は青ざめるパパの横でさっさと寝てしまった。

 しかし何故かレナは元気だ。
 揺れれば揺れるほど楽しいという。去年のカナのようだ。
 右舷にぎらぎらと海の太陽。
 後方を振り返ればいつの間にかすぐ後ろに、朝ウポルケイへ出航したオーシャンスピリットII号。まるで競争するかのように追ってくる。


楽しいと言いつつも揺れるとやっぱりちょっと怖いレナ

ウポルケイに行ったはずのオーシャンスピリットII号が追いかけてきた




6-16.船室の嘔吐予備軍たちへ続く


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