ポートダグラス楽園日誌2004 5-15


15.ディクソン湾の夕暮れ

 真っ青だった空にゆっくりとセピア色が混ざってくる。
 そろそろ夕暮れか、と思ったら、いつの間にか蒸気船はディクソンインレットに戻ってきた。
 岸に停泊している船がだんだん増えてきて、正面にマリーナミラージュの建物が見えてきた。
 パームや帆柱、水平線ぎりぎりの空が薄墨色になり、少しずつパープルが入り、桃色に変わり、最後に雲が茜色に輝き出す。
 そのまま桟橋に着くのかと思えば、船は湾内をゆっくり回り始めた。
 目の前を通り過ぎたあれは、ついさっきバケツ一杯のエビを食べたOn The Inletではないか。
 湾から望む店先は、黄昏時に暖かい灯りが灯りはじめていて、ちょうど東京ディズニーランドのカリブの海賊に乗りながら、蛍舞う入り江をブルーバイユーレストランを見ながら行くくだりを思い出してしまった。
 暮れゆく港を見ながらあの店でいっぱいやるのは本当に気持ちが良さそうだ。


ディクソン・インレットに日が暮れる・・・

さっき食事をしたレストラン、オンザインレットにも灯がともり始める。


 真っ赤に染まった雲が筋状に棚引いている。
 穏やかな入り江に立つさざ波もまた、空の色を映して茜色だ。
 なんて美しい夕暮れ。

 今まで何度か4マイルビーチから上る朝日を見る機会はあった。
 でもまだディクソンインレットに沈む夕日を見たことがなかった。
 こんなにもポートダグラスは美しい場所なんだ。
 今日この日、ここで過ごすことができて良かった。






5-16.転落へ続く


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