ポートダグラス楽園日誌2004 5-7
7.困難な海外ローミング
さて、ノートパソコンと言えば私には悩みがあった。
現地からリアルタイム旅行記をアップロードしようと愛用のThinkPadを持ってきているのだが、到着日の夜に何十回となくローミングにトライして、一度だけ繋がったものの、翌日から同じように接続してもいろいろと手を替え品を替えトライしても、それきり繋がらなくなってしまったことだ。
何を隠そう、去年も同じリッジスのヴィラで、同じように初日に苦労の末一度だけ接続に成功し、それっきり帰国日までついに二度と繋がらなかったという全くありがたくない実績がある。
呪われているんじゃないかと思うほどだ。
去年と今年とそれぞれ一度は繋がったわけだが、接続状況もそれぞれ違った。去年は繋がったのはiPASSだったし今年はUUNETだった。回線速度も違ったと思うし、カンマの数も違った。
アクセスポイントに電話を掛けてみれば、ウィーウォーンとモデムの音が聞こえるのだから、たぶん回線は生きているはず。いやいや一度は繋がっているのだからもちろん生きているはずだ。
何故繋がらないのか、何故一度は繋がって、二度と繋がらないのか、私の乏しい知識と経験ではさっぱり判らない。
毎晩10回はトライしている。
でもあまりに虚しいので、日を追うに従ってトライの回数も減ってきた。
とりあえずパソコンからダイヤルしてみるが、いくら待っても変な音がするだけで繋がらないと、諦めて寝てしまうようになった。
試してみる時間だって馬鹿にならないのだ。
別にパソコンは、デジカメのデータを吸い取ったり余裕があれば旅行記をしたためるのに使っているから、持ってきたことを後悔したりはしないが、接続できない原因が判らないのが一番嫌だった。
パパがツアー会社の現地担当者、初日にリッジスに連れてきてくれた日本語ぺらぺらのオージーLさんに相談してみようと言う。
本来ならホテルに直接相談してみるのが筋だが、込み入った話なので英語で意志疎通するのが困難だ。
私としてはどうにかして接続したいという気持ちは強いものの、他の人の手を煩わせるのは本意でなかったので、最初はやめようかと思ったが、駄目元で相談だけしてみることにした。
パパがLさんの携帯に電話を入れる。
普通はこういうとき電話をするのは、やれレストランが判らないとか、部屋が気に入らないとか、そういうことが多いんだろうな。部屋の電話からインターネットに上手く繋げないけど何とかしろなんて、そんな依頼をする人は他にもいるだろうか。
まあ今のご時世、アコモデーションにノートパソコンを持ち込む人は珍しくない。
夜になると向かいの部屋でも暗闇の中にスクリーンセーバーの動く液晶が見えていたことがあった。
Lさんは一通り話を聞いて、ホテルと相談してみますと言っていったん電話を切った。
ヴィラの部屋で繋がらなくてもビジネスルームがあればそこで繋げてみると言う手もあるとも言っていた。
しばらく待つと、電話が鳴り、Lさんは受話器の向こうでこう言った。
「リッジスのインターネット・スペシャリストがまもなく部屋に来てくれます」