3.浴衣でサンデーマーケット
さて、まずは着替え。
せっかく日本から子供たちの浴衣を持ってきたのだから、
サンデーマーケットで着せることにしよう。
最初はホテルで夕方にでも着せようかと思っていたが、どうせならギャラリーは多い方がいい。
異国の海沿いの市場で、ジャポネスクを見せびらかそうじゃないの。
カナは黄色の地に梅の花、レナは赤地に朝顔の花だ。
帯はかさばるのでへこ帯を持ってきた。足下は草履じゃなくサンダルだけど、そこまではオージーには判るまい。だいたい歩きにくいと子供たちが泣くだろう。
肩に斜めにかけたパワーパフガールズのショルダーが浮いているが、おのおの大事な20ドル札を入れているのだ。これも仕方ない。
初めは子供たち、浴衣を着るのを嫌がった。
そりゃあまあ、Tシャツやワンピースよりは動きにくい。
でもね、これを着ると間違いなくあなた達、注目の的よ。いい? 日本からお姫様がやってきたと思われるわよ。いろんな人に可愛い可愛いって言われるに違いないんだから。
お姫様と聞いて、カナもレナもその気になった。
女の子は「お姫様」って言葉に弱いね。
朝は寒いなと思ったが、日が高くなってくるとむしろ暑いくらいだった。
浴衣に着替えてお澄まし顔の二人を連れ、早速
アンザック公園へ車を走らせた。
そういえば
ポートダグラスに来て4日になるのに、まだ一度もリッジスより町寄りへ行ったことがなかった。パパだけは初日にレンタカーを借りるために
マクロッサンストリートまで行っているはずだが。