ポートダグラス楽園日誌2004 5-3


3.浴衣でサンデーマーケット

 さて、まずは着替え。
 せっかく日本から子供たちの浴衣を持ってきたのだから、サンデーマーケットで着せることにしよう。
 最初はホテルで夕方にでも着せようかと思っていたが、どうせならギャラリーは多い方がいい。
 異国の海沿いの市場で、ジャポネスクを見せびらかそうじゃないの。

 カナは黄色の地に梅の花、レナは赤地に朝顔の花だ。
 帯はかさばるのでへこ帯を持ってきた。足下は草履じゃなくサンダルだけど、そこまではオージーには判るまい。だいたい歩きにくいと子供たちが泣くだろう。
 肩に斜めにかけたパワーパフガールズのショルダーが浮いているが、おのおの大事な20ドル札を入れているのだ。これも仕方ない。

 初めは子供たち、浴衣を着るのを嫌がった。
 そりゃあまあ、Tシャツやワンピースよりは動きにくい。
 でもね、これを着ると間違いなくあなた達、注目の的よ。いい? 日本からお姫様がやってきたと思われるわよ。いろんな人に可愛い可愛いって言われるに違いないんだから。
 お姫様と聞いて、カナもレナもその気になった。
 女の子は「お姫様」って言葉に弱いね。

 朝は寒いなと思ったが、日が高くなってくるとむしろ暑いくらいだった。
 浴衣に着替えてお澄まし顔の二人を連れ、早速アンザック公園へ車を走らせた。
 そういえばポートダグラスに来て4日になるのに、まだ一度もリッジスより町寄りへ行ったことがなかった。パパだけは初日にレンタカーを借りるためにマクロッサンストリートまで行っているはずだが。




 駐車場に車を入れて、子供たちを連れて歩き出すと、早速感じる視線。
 おお、目立ってる目立ってる。
 公園内は去年と同じで沢山の出店でにぎわっている。常設ではないからキュランダのように屋根を掛けていないけど、その分マーケットらしさがあるような気がする。

 果物屋、玩具屋、レース屋、手作りアクセサリー屋、木工品屋、マッサージ屋、古本屋、ニットウェア屋、ジャム屋、アロマオイル屋、工芸品屋、帽子屋、タオル屋、鞄屋、なんでも揃っている。
 パパが、「20より小さい数字が書いてあるものは何でも買えるから」と教える間もなく、カナは最初に入った店で足を止めた。
 じっと見入っているものがある。
 シェル飾りのついた青い木造りの小物入れ。難破船の宝箱みたいな形をしている。ひとつ12ドル。
 カナは何も言わなかったけど、パパはカナはこれを買うつもりだとすぐ判った。


カナが足を止めた土産物屋
これがほしい・・・




5-4.子供たちのお買い物へ続く


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