ポートダグラス楽園日誌2004 4-20


20.今度こそ本当にロックワラビーの餌付け

 そしてゆっくり引き返すと、今度こそツアー客は影も形もいなくなっていた。
 彼らはこれから白オウムの林やら、大コウモリの森やら行って、日暮れ前までにはバロン川の川岸に着いてカモノハシウォッチングのため、静かに待機しなくてはならないのだ。
 ツアー客の去った餌場の大岩には、ぽつりぽつりと小さな子供を連れたオージー家族がのんびりとワラビーに餌をやっているだけだった。

 岩の上にはちょろちょろと可愛らしいワラビーの姿。
 さあ、好きなだけ餌をやっていいぞ。

 といっても、ワラビーももうお腹一杯か。


ようやくカナもレナも、心おきなくマリーバロックワラビーに餌をやれる

ここまでの道のりは長かったねぇ


 マリーバ・ロックワラビーの爪は鋭い。
 岩場にしがみついて生きているのだから、当然発達しているのだろう。
 餌をやるときちょっと痛い。餌が逃げないように両手で餌を持つ手を押さえて、口を近づけて食べるからだ。
 カナもレナも痛くないワラビーがいいと言い出した。
 ええい、我が儘を。
 小さい子は爪が長くないのかあまり痛くない。小さい子に餌をあげれば?
 でも小さいワラビーに限って警戒心が強い。なかなか餌を食べてくれずに直ぐに逃げてしまう。
 そこを何とか忍耐で呼び寄せて、ようやくカナがあげようとすると、レナが待ちきれず駆け寄ってまた逃がしてしまう。
 そんなことの繰り返しだった。
 カナがあげたいワラビーに餌をあげられず、半べそをかいていたら管理人の奥さんがやってきた。
 もう餌が無くなってしまったのかと思って、カナに一握りの餌を渡してくれた。
 レインフォレステーションで購入した小さな円柱形に固めてあるカンガルーの餌と違って、スーパーで売っている鳥の餌みたいなミューズリ系の餌だった。

 最後にお腹の袋に赤ちゃんを入れたワラビーに残っている餌を全部あげて、グラナイトゴージを後にすることにした。
 出て直ぐダートのところで脇道らしいものを見た。
 あそこを行くと、さっき進入禁止だった私有地に出るような気がする。あの道が通れなかったおかげで何十キロ回り道することになったことか。
 推測だが、観光客が通るのを嫌がった私道の地主が道を塞いでしまったのではなかろうか。


お腹の袋にベビーちゃんいます




4-21.マリーバの空の広さをへ続く


ポートダグラス楽園日誌2004 目次 | ケアンズぷらす HOME