14.迷い道、惑い道
墓地の横を通り、
ロデオ会場を過ぎ、さらに先へと進むと大地がオレンジ色にむきだしになっている。
真っ直ぐな一本道。どこへ続くのだろう。
マリーバは空が広い。
途中、道の両側に大きな丸い岩のごろごろした場所があった。グラナイト・クリークと表示がある。
渓谷への曲がり角がどこにあるのか判らないが、とにかく道を外れてこの岩を辿っていけば、あの
グラナイトゴージにつくのは間違いないと思われた。
しかし、行けども行けども渓谷に至ると思われる曲がり角がない。
地図に記された大まかな距離は既に過ぎているはず。
見落としたか。
太陽はまだぎらぎらと輝いているが、なんとなく日差しが弱くなってきたような気がする。
冬の日は短い。急がなくては。
引き返して走るが、やはりそれらしい場所はない。
距離から考えて、ここしかないと思われる場所で停まってみた。
・・・確かに細い脇道はあるけど、通り抜け不可の表示がある。
本当にここだろうか。
とりあえず車を進める。どう見ても私道のような細く曲がった道だ。
やがて農場の片隅みたいな場所に出た。
道はダートになってさらに曲がっているが、再びそこに進入禁止と通り抜け不可の手書きの立て看板がある。犬も吠えている。
仕方ない、引き返そう。