ポートダグラス楽園日誌2004 3-4
4.舞い上がる
さて、気球は風任せで飛ぶ。
だから発着地点はいくつかあるが、その日にならないとどこから飛び、どこに降りるかは判らない。
1便が飛び立った後、2便メンバーは早速バスに乗り込み、飛び立った気球の後を追うことになる。
急げ。
急げ。
バスは走り、道の分岐で一時停止、気球の位置を確認した後、湿原地帯の道に入った。
空は晴れているが、大地にはぼんやりと靄がおりて幻想的な光景だ。
やがてバスが入れない細い農道に着き、4WD車が牽引する荷台に全員で乗り換える。
がたがたの畦道だ。
気球がだんだん高度を下げてくる。
湿地帯に降りるらしい。
ゆっくり斜めに降りてくる。
車は途中で停まり、全員荷台から降りた。
少し離れた草むらに気球は軽やかに着地した。
夜明けの草原を1便の気球を追って車が走る
湿原に、フライトを終えた気球が軽やかに着地した
湿った草を踏みながら、みんなで気球に歩み寄った。
さあ、1便と2便の交代だ。
一人が降りて、一人が乗り込む。
全員でいっぺんに降りてしまうと気球が再び浮上してしまうので、できるだけ体重が均等になるように順番に乗り降りする。
気球のバスケットは四つに仕切られており、そのうち一つに我が家の四人と、もう一組の日本人のうち、奥さんの方が乗り込んだ。ご夫婦での参加で、旦那さんは隣の仕切りだ。
レナはもちろんカナも身長が足りなくてバスケットの外が見られない。
昇降用の足かけ穴から外をのぞくか、抱っこしないと駄目だ。でも抱っこするのは怖い。身を乗り出して落ちたらと思うとゾッとする。
ゴォォォッと耳元でバーナーの音がして、温められたバルーンはゆっくりと浮き始めた。
みるみる今まで立っていた草むらが離れていく。
1便に乗っていた人たちと、ガイドの女性が行ってらっしゃいと力一杯手を振ってくれた。
左バスケットの中のレナ、まるで外が見えない
綿密な打ち合わせ中
バルーンを真下から見上げたところ
熱気球のバーナー
ついに離陸、見送る人々
ちなみに紐がついている物体はぶら下がるカメラで、フライト中何度か記念撮影をしてくれる(買わなかったが)