サンドフライとは？　サンドフライ対策

オーストラリアにはサンドフライという悪名高き害虫がいます。この虫に刺される・咬まれる・血を吸われると 楽しい旅行も台無しに。そんなサンドフライに関する情報を集めました。

いろいろな方から掲示板で戴いた情報を元にサンドフライの正体と対策についてまとめておきたいと思います。

■■■サンドフライの特徴・症状■■■

共通する特徴

• 非常に小さな虫である
• 夕方の水辺などで咬まれる(刺される)ことが多い
• 激しい痒みをもたらす、また痒みはぶり返し、一ヶ月以上続くこともある
• 咬まれた場所は腫れる
• 免疫がつくと咬まれても痒くならない(地元の人は痒がらない)

いろいろな方から戴いた情報によるそのほかの特徴
(サンドフライと呼ばれる虫は一種類とは限らないため相反する特徴もありますが、全て掲載させていただきました)

• 噛まれた痕が残る(シップで対処した)【2007/05/28　北の国からさん】
• 噛まれて１週間くらいは忘れた頃に痒みがやってくる感じ【2007/05/29　あくあまりんさん】
• 一度に33箇所も噛まれて1週間痒く特に2日は夜もよく眠れないほど。噛まれた場所は腫れ上がり、熱を持っている。 ただ腫れ方がなだらかな山型に腫れる蚊とは違って険しい山型になる。かさぶたができて痕が残る。円を描くように噛まれる。 噛まれてから痒みが出るまで半日以上の時間差があった。【2007/05/29　よしか】
• ダンナと当時３歳の子供が、猛烈に痒がって一晩中掻き毟り、刺された跡が翌日には シコリみたいに堅く腫れたので診療所へ。サンドフライは０．５ｍｍくらいの大きさで、指で触っただけで 粉々に潰れてしまうほどの小さ～い虫。体型は完全なハエ（アブ）形。【2007/05/29　みらさん】
• サンドフライが“出た”という証拠は、まず頭髪の中がチクチクしだすこと。 そして噛まれる場所によってはチクッとした痛み。でも、痛みの場所を見ても黄昏時では小さな虫は見えないし 手のひらでバンと叩くと粉々になって跡形も無い。普通では何に刺されたのかはわからない。夜や入浴後に 痒みが増す。【2007/05/31　みらさん】
• デジカメ接写が難しいほど小さな虫、恐らく１～５ｍｍ。蚊柱のように群れに なって来ることもある。ビーチよりもボートで行くマングローブのひと気のないような所がより危険。 【2007/06/01　クッカバラさん】
• サンドフライにやられるとブヨと同じ様に赤い点になり、初めて咬まれて抗体が ない場合はその夜あたりから痒みが出て3日ほど痒い。抗体のある人は咬まれてすぐに痒みが出るがシャワーを 浴びると痒みも消える。毛の生えている場所にはサンドフライは来にくい。海水、汽水域近に発生する(淡水域にはいない) 【2007/06/01　クッカバラさん】
• （あくまでもこれは個人的な印象だが）ケアンズ、そして、ロックハンプトン、 サンシャインコースト、ゴールドコーストと移動しながら咬まれてきたが、移動するごとに初期の痒みに襲われた。 地域によって種類が違うか、血液の中にいれられている分泌物が違うか何か理由があると思われる【2007/06/08　クッカバラさん】
• 子供は一度腫れが引いた後にぶり返し、夜に痒がり、泣き叫び、一睡も出来なく、 次の日に病院へ連れて行った。飲み薬と塗り薬をもらったが、しばらく病院に通うと思う。【2005/03/31　くまちゃんさん】

■■■サンドフライとは？■■■

そもそもサンドフライとは何なのか？どんな虫なのか

　サンドフライというのは直訳すればチョウバエですが、学名ではなく通称です。 具体的には「サンドフライと呼ばれている双翅目の昆虫は何種類かいますが、いずれも分類上の正式名ではなく 通称」だそうです【2007/06/13　みらさんより】
　つまり、ミッジ、ヌカカ、サシチョウバエ、小型のブユなど全てひっくるめてサンドフライと呼ぶ可能性が あるということです。
　ケアンズ・ゴールドコースト近隣では砂粒ぐらいの蝿型のサンドフライが主に観察されているようです。
　あまりに細かいため、旅行者の大半は噛まれていても痒みが出るまで気づかないようです。

■■■サンドフライ対策■■■

サンドフライ対策・サンドフライの被害にあわないためには？

• 虫除け(忌避剤)を肌に塗布する
• 衣類で皮膚の露出を極力減らす

　方法は基本的には日本におけるやぶ蚊対策と同じです。
　大半の虫除け剤の有効成分はディート(Deet=ジエチルトルアミド)であり、効果とリスクを鑑みて安価で 有益な薬剤とされています。ちなみに日本で市販されている虫除け製品はディート濃度5％から10パーセントの製品が主になります。
　現地(オーストラリア)ではもっとディート濃度の高い虫除け製品が市販されていますが、一週間程度の滞在であれば 探すための時間を取られるよりも日本から使い慣れた製品を持参したほうが良いと思います。
　ディートになぜ虫が寄らないのかははっきりとは判っていないようですが(ディートの臭い説有り)、濃度は効果の 持続時間と比例するため、理論上は高濃度のディートを塗布しなくても、まめに塗りなおすことである程度の効果があるようです。 (参考　5％で90分の効果有り)
　もちろん薄ければ当然使い勝手は悪いので、日本製では薄すぎて不安という方は現地でディート濃度の高い製品を探されると良いと思います。

　ディートを含まない虫除け製品もありますが、効き目はよく判りません。ディートのリスクが気になる方はこうしたものを利用 されるのも良いでしょう。

■■■サンドフライに噛まれてしまったら■■■

サンドフライの治療・サンドフライの被害にあった時の対処法について

確実な特効薬は無いと思ってください(ごめんなさい)。以下、具体的に・・・

• 現地(ケアンズ)で購入したItcheze plus cream(黄色いチューブ)という薬は結構効いた【2007/05/2　よしか】
• ウナコーワアルファが少し効いた【2007/05/29　あくあまりんさん】
• 一年間皮膚科へ通った【2005/03/31　くまちゃんさん】

■■■参考までに日本のブヨ(ブユ)対策■■■

ブヨ(ブユ)に刺された時の対処法について

サンドフライとよく似た症状を起こす害虫ブヨ(ブユ)について掲示板でくららさんより有益な情報を頂いたので掲載させていただきます。

• 市販の虫さされ薬で良くならなければ・・・例えば患部が熱っぽいとか大きく腫れているようでしたら、お医者さんに行ってステロイド剤や飲み薬をもらうなどされたほうがいいですよ。うちの娘は太もも全体から付け根までぷっくりと腫れ上がりました。何度も噛まれているとそのうち免疫ができて、そんなに腫れなくなります。キャンプのたびにマイザー軟膏を持ち歩いていますが、最近ではムヒαで事足りるようになりました。これは痒みには結構効きますが、もの凄く腫れ上がっている場合はやっぱり皮膚科に行った方がいいですよ。【2008/03/25　くららさん】
• ブヨで検索すると色々出てきますが、予防のため虫除けスプレーを使いましょうという意見と、スプレーは効きませんという人と、分かれますね。効能のところに「ブヨ」と書かれている虫除けスプレーを選ぶといいと思います。それから、ハッカ水が効くという意見もあります。【2008/03/25　くららさん】
• 毎週のようにアウトドアで噛まれまくって早8年。ムヒαでもOKになってしまったのだけど、普通の人？はポイズンリムーバーを持ち歩いた方がいいかもしれません。噛まれたときに患部から毒を吸い出す注射器みたいな器具で、ホームセンターのアウトドアコーナーでも売っています。これがなくても爪でグイグイ血が出るくらい毒を絞り出すと、その後の腫れや痒みが少なくて済みます。しかしサンドフライやブヨは半日経ってから気づくことが多いので、これじゃ本当は遅いのだけどね。【2008/03/26　くららさん】

※　ポイズンリムーバーは私(よしか)も使ったことがあります。確かに蚊に刺されたときに効きました。構造的に考えても、刺された直後に使うことができればサンドフライにかなり効果的だと思います。

■■■サンドフライまとめ■■■

そんなに怖がらなくても大丈夫

　これだけ怖がらせておいてその台詞は無いかもしれませんが(笑)、 サンドフライをむやみやたらと怖がらなくても大丈夫です。
　我が家は10日間×6回程度ケアンズに行って、毎回、いかにもサンドフライが出そうな水辺を危険時間帯である夕方に ふらふらしたりしていましたが、6度目にして初めてサンドフライの被害にあいました。ケアンズでもサンドフライより蚊に刺される ことの方がずっと多かったです。
　ですからケアンズを旅行してもサンドフライのことなんか知らないで旅行を終える人も多いはず。
　また、「蚊が日本では日本脳炎、オーストラリア北部ではマラリアの一種、デング熱を媒介するのに対し、 オーストラリアにおけるサンドフライは今のところ伝染病を媒介する可能性はとても低い【2007/06/06　クッカバラさん】」 ようです。
　備えあれば憂いなし。可能な対策を講じた上でオーストラリア旅行を楽しんでください。