5月26日(月)
今朝も気持ちよく晴れていた。
朝の散歩でラグーンプールまで。
のんびり朝食。やっとまともに眠れたので、頭もすっきりしてきた。
今日は
ケープトリビュレーションまで行こうと思っている。
ポートダグラスはケアンズより70キロ近く北に位置しているが、さらに海岸沿いに北上すると、およそ10キロで次の町、モスマンに到着する。
モスマンで世界最長記録を持つ国道は終わりを告げ、その先道は、ディンツリー川を渡りカウベイ、アレクサンドラベイなどを過ぎてケープ・トリビュレーションに至る。
ケープトリビュレーションから先、道は未舗装となり、113キロ先でようやく次の町、クックタウンに到達する。
モスマンは世界最古のウェットトロピックスへの入り口であり、またケープトリビュレーションはその緑がビーチまで迫り、そこはまさに熱帯雨林と珊瑚礁の出会う場所なのだ。
サトウキビ畑の間をぬって道が伸びている。
ぽつぽつ民家があるなと思ったら、すぐモスマンの中心部につく。
スーパーマーケットのウールワースがあったので、そこで飲み物などの買出しを済ませることにした。
実はケープトリビュレーションに向かうのは二度目なのだ。
前回、パームコーブに滞在したとき、
ディンツリーとケープトリビュレーションを4WD車で回るビリーティー・ブッシュ・サファリーズのツアーに参加した。そのときもモスマンを通った。この先、店のようなものは何もないから、ここで飲み物など買っておくように言われた。
ショッピングカートに子供を乗せられるようになっているのは万国共通だが、カートの上部にごついチャイルドシートが設置されているのにびっくりした。これなら首の座らない赤ちゃんでも一緒に買い物ができるね。レナが乗りたがるので乗せたが、君はもう赤ちゃんじゃないだろ?
カナは初めて入る外国のスーパーに目を丸くする(昨日の買出しは子供たちが寝ている間に済ませてしまったので)。ジュースのボトルもビッグサイズだね。
モスマンを出ると益々緑が深くなる。ウォンガビーチのところで海が見えた。木々の合間から真っ青な水平線。
ここからまた道は海から逸れ、熱帯雨林に押し入っていくことになる。ごくまれに目に付く民家はこの辺り一帯が国立公園に指定される前に開拓されたもので、いつの間にかサトウキビ畑は消えて、馬や牛の放牧場や見たことの無い果物の木が植えられた果樹園ばかりとなる。
やがて道は川でいったん途絶える。
ディンツリーリバーは、一本も橋の無い川なのだ。この先へ行きたければ、ケーブルフェリーに乗らなくてはならない。
フェリー乗り場には既に車が数台並んでいた。
向こう岸からフェリーがやってくる。フェリーというか、巨大イカダのようなものだ。
往復料金は16豪ドル。
ディンツリー川をはじめ、このあたりのクリークには例外なくクロコダイルが生息している。それも凶暴な入り江ワニ(ソルトウォーター・クロコダイル)だ。決して泳ごうなどと思ってはならない。
順番にフェリーの上に進む。いつの間にか私たちの車の後ろにも列ができていてあっという間にフェリーは満車になり、すぐに音も無く川を渡り始めた。
Kimberiley岬のあたりは見通しの悪いカーブが続く。まもなく
アレクサンドラ・ルックアウトだ。
ああここだ、この場所だ。
今回の目的の一つはここだ。
雨季に曇天の下、訪ねたときにここは灰色の空だった。海は青かったけれどくすんでいた。
この素晴らしい景色を抜けるような青空の下で見たい。そのためにもう一度必ずこの地を訪れなければ…そう思い続けていた。
やっと夢は叶ったのだ。
アレクサンドラの高台からは、珊瑚礁の大海にそそぐディンツリー川の蛇行した河口が見える。また、左手には緑の島スナッパーアイランドが、その奥に明日訪ねる予定の白い
ロウ・アイルズが見える。右手の岬は
ポートダグラスだ。
見下ろすとノスリのような猛禽類が風に乗って旋回し、何か獲物を見つけたらしくさっと急降下していった。
目を凝らすと真っ青な蝶もいた。前にキュランダのバタフライ・サンクチュアリで見たユリシーズだ。
ルックアウトを過ぎるとすぐにディンツリー・レインフォレスト・エンバイロメンタルセンターだ。
ここはディンツリー国立公園のビジターセンターのようなもので、熱帯雨林の説明パネルやコーヒーショップがある。トイレ休憩にも良い場所だ。
売店にはペットのレインボーロリキートがいて、愛嬌を振りまいている。カナとレナはそのようすを夢中で見ている。
エンバイロメンタルセンターのメインは、森の中に聳える23mの高さのツリートップタワーなのだが、現在は工事中だった。
ところでここの駐車場に緑色のお尻をした足の長い蟻が沢山いた。もしかして食べるとパセリの味がするというグリーンアント?
それにオジギソウもあちこちに。これは日本でもあるけど子供たちが見るのは初めて。触るとすっと葉を閉じるので目を丸くして見ている。
そろそろお昼時でお腹が空いてきたが、先を急ぐことにしよう。
真っ直ぐケープトリビュレーションに向かう。
この辺りかなと思っているうちに行き過ぎてしまった。道が未舗装になるのですぐ判る。
少し引き返して海沿いへ曲がる。駐車場に車を止めて砂浜に歩み寄れば、そこは記憶にある
ケープトリビュレーションビーチ。熱帯雨林と珊瑚礁の出会うところ…。
どこまでも青い海。振り返れば太古の緑の森。手付かずの自然だ。
手前の浅瀬には小さな魚も泳いでいる。じっとしているとときおり水飛沫を上げて跳ねる。
砂浜には穴と、砂をにょろにょろと積み上げたような不思議な物体もあちこちに。どんな生物がこれを作っているのだろう?
水着は持っていたが、着替えさせる前にビーチに出てしまったので、あっという間に子供たちのズボンはびしょびしょだ。
駐車場の手前でカナがママ、ママ、と呼んでいる。
昨日カナが見つけた例の鳥がいたのだ。しかも二羽も。
なるほど体は茶色、目は黄色。ずんぐりしていてオレンジ色の長い足だ。
昨日カナが絵に描いてくれた通りだ。
(翌日、クルーズ船の中にあった鳥類図鑑で名前を調べたら、どうもOrange Footed
scrubfowlという鳥らしい。北クイーンズランドのレインフォレストに生息する種や根や球根を食べる鳥だそうだ)
もっとビーチで遊びたいという子供たちを車に戻して、どこかオープンテラスの店で昼食にしよう。
この辺りで最も美しいビーチがあるという
ソーントンでおあつらえ向きの店を見つけた。
Cafe on Sea。テラスからは林越しに海を臨む。
景色も良いし木立の中なので涼しい。なんといっても美味しい。
タイチキンとかぼちゃが入ったスープとパン、チキン、卵、レタスのバゲットサンドを頼んだ。特にタイチキンとかぼちゃのスープが絶品。タイ風香辛料の辛味とかぼちゃの甘みが絶妙のバランス。
店から歩いて木立を抜ければソーントンビーチ。こんなに綺麗なのに人影も無い。
お腹もいっぱいになって満足満足。
帰路、すぐに子供たちは寝入ってしまった。
この辺りにはカソワリーが多い。保護のために速度を落とすよう即す標識があちらこちらに。実際のカソワリーは非常に警戒心が強く、なかなか観光客の前には姿を現さないらしい。頭が青く飛べない派手な鳥だ。
ときおり大きな蟻塚も見ることができる。
サトウキビ畑の中を
バーリーフーリー鉄道の線路が通っている。
可愛らしい汽車が観光用に走っているというが、その情報はもしかしたら古いのかもしれない。枕木は半分埋没し、雑草が伸び放題だ。できたら乗りたいと思っていたが、廃線になってしまったのかもしれない。
モスマンまで戻ると、ちょうどスクールの終わる時間だったらしい。街角のあちらこちらで下校途中の学生たちが家路を急いでいた。
行きに立ち寄ったモスマンのウールワースで食料の買出し。
スーパーマーケットに入ったまま1時間も戻ってこなかった私を、パパは呆れ顔で待っていた。
本日のお買い得品にFuji Appleがあったので3個買ってみた。日本のフジリンゴと同種とはとても思えない小ぶりなサイズ。ジャガイモも赤いの白いの茶色いのとカラフルだし、網目のメロンは細長い。お米は長米種のほかジャポニカ米も1キロからある。
昨夜は苦労の末、初めての海外ローミングに成功したが、今夜はどうやっても繋がらない。このまま帰国日までアップロードはお預けなのだろうか…?
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