子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温はぬるめ、泉質も特に問題なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★☆☆☆ おむつ児入浴不可、畳の休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
山梨県笛吹市の一宮町と言えば桃の一大産地。
3月末には開花し4月初旬には桃の花祭り、7月には桃狩りも楽しめる。
そんな一宮町の桃畑の斜面に地域の健康増進施設を兼ねたももの里温泉はある。周辺は桃畑と民家とあと少し葡萄畑。
地域のための施設ではあるが、中央道の一宮御坂インターに近いことから旅行帰りに立ち寄るにも便利な日帰り温泉であり、使い勝手は良いものの残念ながら豊富な源泉を活かしきれていない施設でもある。
近くに紅薔薇温泉みさかの湯と石和ふれあいセンターなごみの湯というところがあって、これら三つは「ふえふき市の湯」という笛吹市指定業者が管理している三つ子のような関係だ。
ももの里温泉の駐車場の一角に温泉スタンドもあり、私たちが着いたとき、小学生ぐらいの子供を連れたお父さんが軽トラックで温泉を汲みに来ていた。
入り口はちょっと奥まったところにあって、両側を休憩室の建物で挟まれている。
公共の温泉としてはそれほど規模が大きくない。
雨が降っていたので私たちは急いで屋根の下に入った。
お風呂は内風呂と露天風呂と有り、建物外観の印象からすると意外に大きかった。
お湯は昨日、一昨日と入ってきたこの辺りの温泉らしい感じで、比較的ぬるめで無色透明、きしつく肌触りがある。
臭いは塩素の臭いしか感じられず残念だ。この臭い一つで、これら品行方正な温泉の良さはほとんど失われてしまうような気がする。
でも、ももの里温泉の露天風呂は子どもたちがとても気に入った。
子どもたちの後を追って私も露天風呂に出てみると、なんとそこには薔薇風呂が待っていた。
露天風呂は岩で、浴槽は二つ。
そのうちひとつは打たせ湯から繋がっていて一部屋根があるので常連らしい年輩客がずっと入っていた。
もう一つは屋根がない。まだ少し雨が降っていたのでこちらは誰もいなかった。
その浴槽の中央に、丸く薔薇の花が浮いている。本物だ。
遠目には何か籠にでも入れて浮かべてあると思ったのだが、近づいてみたらフラフープのような輪で囲ってあるだけだった。輪を外せばお湯の中にいっせいに散るようになっている。
その輪が大小ふたつ。
子どもたちは目を丸くして薔薇の花に近づいた。
「これ本物?」
ここに薔薇風呂があるなんて知らなかったが、同経営のみさかの湯は紅薔薇温泉だし(凄い名前だ)、ローズガーデンがある。きっとそこから摘んできたんだろう。
ひとつ手にとって匂いを嗅いでみた。
白い薔薇がいい匂い。