子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 温度はぬるい、塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★★ 脱衣所に棚はある
子連れ家族のための温泉ポイント
お湯が良くて女将さんもいい人だった。良い印象しかない。ただ、初めて甲府湯村温泉に来た2022年はコロナ禍で日帰り入浴を休止していた。
この温泉地の中でも入りたい優先順位が高かったのだが仕方ない。そして再訪したのが2024年。このときも日帰りだったが、次の機会があったらぜひ泊まりたい。
それはともかくとして、訪ねたらちょうど男湯のお湯を落としているタイミングだったらしい。夫婦で女湯を貸し切りにしてくれた。
脱衣所からドアを開けて階段を下りると女湯の浴室だったが、もうドアを開けたとたんにびっくりして立ち尽くしてしまう。
浴室も白を基調にした大理石のローマ風でとても素敵なのだが、たまげたのはそこではない。浴室の床一面に源泉が溢れすぎ!ザバザバと掛け流されて、常に床全体にお湯が張っている状態。なんじゃこりゃ。
温泉は無色透明で、源泉温度が37.7度ぐらい。それを浴槽に注いでだいたい36.6度ぐらいとのこと。ジャスト体温じゃないですか。天然不感温泉じゃないですか。それがこの湯量。なんという奇跡。
お湯の中には細かいアワが漂って、手触りはまるでビロードのよう。においはあまりせず、淡い塩味。
隅に湯口があって、もうひとつ浴槽の内壁からもお湯が出ている。普通に考えたら循環で加熱したお湯を中からも入れてると思うじゃない?ここは全然違う。両方ともただの源泉そのもの。まじもんのかけ流し。
何故湯口だけでなく中からも注入しているのかというと、上の湯口だけから入れるとどうしても浴槽の下半分が水みたいにぬるくなってしまうのだそう。もともとぬるい温泉を冷たい石の浴槽に入れているわけだしな。
それでお客さんから、上だけじゃなくて中から入れてみたらとアドバイスをもらって、後から中から入れる工事をしたそうだが、なんせ浴槽も大理石製、石が割れるんじゃないかと最後まで心配していたらしい。
なんとか無事工事が終わって、上と中から入れるようにしたら、下だけぬるくなることもなくなり、かき混ぜる必要もなくなり、さらに空気に触れずに源泉を入れることができるようになったことから、温泉の劣化も防げるようになったのだそう。怪我の功名だ。
それでたぶんアワも以前より増えたんじゃないかって言っていた。
ちなみに「杖温泉 弘法湯」はもともと源泉を2本所有していたが、周りの施設の湯量に影響があるかもしれないと言われて、1本しか使えないように決められてしまったのだそう。いろいろ事情があるんだろうけど、もったいないことしきり。
ところでこの時はたまたま女湯を貸し切りで使わせてもらったが、男湯も女湯も状況に寄って貸し切り対応が可能で、特に女湯のデザインが珍しいことから、ここの女湯に入ってみたいという男性も少なくないらしく、そういう時にも貸し切り対応することがあるのだそうだ。