子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温はぬるめ、泉質も特に問題なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★★
子連れ家族のための温泉ポイント
「おおー」
思わず声が出てしまうほど見晴らしが良かった。
ほったらかし温泉は日本一の絶景露天風呂として名高い。
山の馬曲温泉や海の不老ふ死温泉や絶景風呂にはいろいろ入ってきたけど、日本一の山、富士山が見える温泉には敵わない。
以前に一度、埼玉の秩父でキャンプした後ほったらかし温泉に行こうと思ったことがあるが、山梨に入ったら急に曇ってきたので、結局正徳寺温泉初花に行ってしまった。
やっぱりほったらかし温泉に行くのは晴れ渡った日じゃないと。
朝7時過ぎ、石和温泉方面から140号線を越えて山を登り始めた。
ちょうど甲府盆地の東側、笛吹川とその支流が作り出した平地を挟み、対岸に盆地と富士五湖の間にそびえる山地が見えていて、その山の間から小さく富士山が端麗な顔を覗かせている。
富士山を見ると言えば山梨か静岡というイメージがあるが、甲府盆地の辺りから見る富士山は、頭の方を他の山の間から覗かせているだけでインパクトが薄いという印象があった。
ほったらかし温泉もこんなものなのかなぁと思ったが、自分が高度を上げていくに従い、富士山もせり上がってきて、笛吹川フルーツ公園まで登るとかなり見晴らしが良くなってきた。
ほったらかし温泉はカーナビでは辿り着けない温泉らしいがカーナビに頼らなくても判りにくい。
笛吹川フルーツ公園目指して山を登り、『カーナビが間違いです ほったらかし温泉 少し戻って「笛吹川フルーツ公園」の中を通り抜けて下さい。公園内「ぷくぷくの湯」より1キロ先です』という看板を見かけたら、そこから3メートルバックして左に見えている駐車場の中を通過、あとは道なりだ。
なお、間違ってもその看板の言うことを素直に聞いて、Uターンして山を下っていってはいけない。ポイントは「笛吹川フルーツ公園の第一駐車場の中を突っ切る」だ。
ほったらかし温泉は平成11年にオープン、さらに4年後には浴場をもうひとつ増やして、以前からあるものを「こっちの湯」、新しく作ったものを「あっちの湯」と名付けた。
「あっちの湯」と「こっちの湯」は両方とも富士山を望む絶景ぶりは変わらないが、使用源泉と浴槽の広さ、営業時間などが異なる。
今回目指したのは「あっちの湯」。
朝10時から夕方5時までの「こっちの湯」と違い、「あっちの湯」は先ほども書いたように日の出前からオープンしている(終了も甲府盆地の夜景が楽しめるように夜10時まで)。
トタン屋根を貼った板の階段を降りていくと、プレハブの受付があって、三角の笠を被ったおじさんが番をしていた。
入り口の横にある券売機でチケットを買って支払うようになっている。
下駄箱付近にも大勢の観光客がいた。
脱衣所がまたちょっと不思議。
もちろん建物の中にもあるのだが、一部は建物の外にある(2007年当時)。
外の方が空いているようだったので子どもたちを連れて外に出た。
外の脱衣所は屋根はついているが本当に外で、一段低くなったところに広い岩の浴槽が、また右手には脱衣所と同じ高さのところに木の浴槽がある。
ちょうどこの外の脱衣所自体がお風呂と広がる景色をいっぺんに眺められるベストポジションだった。
それにしても凄いなー。
二段になったお風呂の下は、うっすらと霞む甲府盆地。
そしてその向こうには、青い山々が屏風のように連なり、その一角から完璧な形の富士山が・・・。
この開放感は、他では有り得ない・・・有り得ないよねぇ。
子どもたちはさっさと岩風呂の方に行ってしまったので、私は先に上段の木のお風呂に入った。
長方形の湯船でこれもかなり広い。
木の湯口から出るお湯はぬるめでのんびりと入っていられそう。
階段を降りて下の岩風呂にも入ってみた。
下の方が広いようだし、隣にもうひとつ半身浴できそうな浅めの浴槽がついているが、眺めの点では上の木の浴槽に劣る。
上より少しばかり熱めだが、それでも基本的にはぬるめの温泉だ。
お湯はすっきり無色透明。但し細かい湯の花はお湯の中に沢山漂っている。
肌触りはきしつく感じで、乾くとさらさらしてくる。
誠に残念に思うのは水道水のような塩素の臭いが強いこと。
揺れるススキと秋桜が秋の色。
三連休の天気予報では、三日間のうち最後の一日を除いて晴れることになっていたが、それでも快晴とはいかない。
青空に綿を散らしたような白い雲がいくつも。
見ているうちに雲の一つが富士山にまとわりつき、ゆっくりとその姿を隠してしまった。
朝一番に来て正解。
真冬でもない限り、ここから日中にくっきりと富士山を見るのは厳しいかもしれない。
すっごいなー。
もうこの言葉しか出ない。
いや本当にえらいところに露天風呂を作ったものだ。
露天風呂の絶景ぶりに感動したこの温泉について、後日再訪してより詳しい記事をトラベルjpたびねすに寄稿しましたので、宜しかったらそちらもご覧ください(この頁の写真の一部は再訪時に改めて撮影したものです)。
たびねす記事 山梨「ほったらかし温泉」あっちの湯とこっちの湯の違いを徹底比較!