子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベンチあり、4歳未満は日帰り入浴不可
子連れ家族のための温泉ポイント
小野川温泉では今、旅館ごとに特色を出していこうと思っていると教えてくれたのは、鈴の宿 登府屋旅館のご主人。それで行くと、こちらの「うめや旅館」の特色は4号源泉にこだわった宿と言える。
小野川温泉には熱い4号源泉とぬるい5号源泉があり、まぜるとちょうどよい温度になる上に、湯量も増やせることから、ほとんどのお宿では混合して使っている。そんな中、熱いだけでなく濃度も濃い4号源泉にこだわって、混ぜずに実直に4号源泉のみを浴槽に注ぐのがこちら。
なお、共同浴場の尼湯も4号源泉のみを使用していると言われるが、こちらは加水をして温度を下げている。つまり薄まっている。
では「うめや旅館」はどうやって、熱すぎる4号源泉を冷ましているかというと…なんとぬるい5号源泉で熱交換しているというのだ。つまり5号源泉は混ぜないで、温度の低さだけを利用しているというわけ。4号源泉100%に入ってほしいという、このこだわりは凄い。
また冬は館内の暖房にも4号源泉の熱を使っている。暖房すら温泉熱というエコロジーな宿なのだ。なお、温泉の湧いた圧力のみで湯舟まで運んでいるので、その間に空気に触れることなく、新鮮な4号泉が楽しめるようになっているそう。これも小野川温泉があまり析出物で詰まらないタイプの温泉だから助かっているというお話。
浴室は内湯のみで、決して広くはない。でも湯口の上にアヒルが2匹乗っていて可愛らしい。
お湯は青っぽく見えるが、たぶん浴槽内のタイルが青いのに加えて、ごくわずかに濁りがあって底がかすむからそう錯覚するのかも。
においは懐かしいマッチで嗅いだような硫化水素臭。他の小野川温泉のお湯と比較しても強いように思う。肌触りは表面に薄いとろみの層があるようにすべすべする。
味はそれなりに塩味がするが、すごくしょっぱいというわけではなく、苦みもある。温度は熱すぎない。42度とまことに快適。なのに湯上りはさっぱり爽やかで、温まっていてコートいらず。
なお、この「うめや旅館」の魅力は4号源泉100%のお湯でもあるが、明るい女将さんと優しいご主人に寄るところも大きいと思う。