子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★☆ 塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆
子連れ家族のための温泉ポイント
富山に来たのは初めてだった。
能登半島の東、富山湾に面した民宿あおまさは、魚が美味しい宿、一部の温泉ファンには極上温泉に入れる宿として知られている。
建物の外観も館内も決して新しくはなく、使い込んだいい味を出している(2011年にリニューアルしたのでたぶん今はずっと綺麗です)。
建物は高級感は無かったが、食事は本当に豪勢。特にお刺身。美味しすぎて食べすぎる。
それでも食べきれなかった分は、宿の人がコブ締めにして翌朝も違う味を楽しませてくれた。
お風呂は一つだけで、札を下げて男湯または女湯として使うようになっている。
民宿の建物からトタンで増築した借り浴室のような形で、長方形の木の浴槽には濃い茶色っぽい濁り湯が入っている。
板張りの床は綺麗に作ってあるが、壁だけじゃなく屋根の部分も波型のトタンで、窓にあたる部分は手造りでレールを掛けた風のカーテンが下がっていた。
新潟の松之山温泉のような重たい重油のにおいがする。
濁りは強くて沈めた手足も見えない。
ちょっと沸かし過ぎかもと思うほどに熱かった。塩分が濃いので傷がぴりぴりと染みるや。
最初はとにかく油のにおいが強いと思ったが、入っているうちに柑橘系のようなさわやかなにおいと、金属、それに薬っぽいにおいもしてくる。
肌触りはきしつくが、しばらくするとだんだんすべすべ感も出てくる。
とにかく色が濃いので使ったタオルはいっぺんで橙色に染まった。
ものすごく温まり、乾いてくると指先ががさがさになるタイプのお湯だった。
湯上りに浜辺をそぞろ歩けば、泣きたくなるような日本海の夕暮れ。
夜には漁火も灯る。この素朴な感じの景色が忘れられない。