子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★★ 泉質★★☆☆☆ 湯温は適温、強塩泉で長湯に注意、傷などあると結構しみる
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 小学生未満の幼児連れなら、プールもあるということはおくびにも出してはならない
子連れ家族のための温泉ポイント
東京は何もかもが密集する大都市だが、それでも山手線から私鉄などに乗り換え、10分、20分と行くうちに、だんだんとビルは低くなり住宅が増えていく。
ターミナル駅の一つ渋谷から、または新宿から京王線経由で京王井の頭線に乗り換え、神田川沿いの高架の駅で降りればそこが高井戸だ。
ホームの真下を潜っているのは環八通り。たぶんオオゼキと書かれたスーパーの看板も見えると思う。
徒歩2分。そのスーパー、オオゼキのすぐ隣が高井戸温泉美しの湯だ。
実は3週間ほど前の週末に、一度家族でここを訪れていた。
子供たちにプールのある温泉だと伝えたのだが、入り口を入ったところで「小学生未満のお子様(未就学児)は、プールをご利用できません」という立て看板を見つけ、泣く泣く引き返した。
子供にとっては温泉はおまけで、プールで遊ぶことこそがメインだったからだ。
幼稚園生の次女が入れないと知った姉は、彼女が小学生になるまでこの温泉には来ないと宣言したため、やむなく母はこっそり平日に一人で再訪することにした。
高井戸温泉はナフ ウェルネスクラブというフィットネスクラブの経営する温泉だ。
だから料金区分にも、温泉のビジター料金の他、温泉のみの会員やスポーツクラブのみの会員、その両方を共通に使用できる会員などいろいろに別れている。
そのせいか都内23区内にあるにしては広い駐車場を持っているが、環状八号線は渋滞がひどいため、案外電車でアクセスした方が便利かもしれない。
券売機でチケットを買った後、フロントでビジター用のカードキーを受け取る。これが更衣室(脱衣所)のロッカーのキーになる。
フィットネスクラブの更衣室らしく、図書館の本棚のようにロッカーが並び、ベビーベッドなどはない。
手前に温水プールへの通路のドアが、奥に温泉施設への入り口のドアがある。
内湯は御影石調の四角い温泉浴槽と、各種ジャグジーなど水道水を湧かしたアトラクション風呂がある。
真っ直ぐ行くと露天風呂に出るドアがあり、こちらは意外に広々とした空間で、二つの温泉浴槽と、一つの人工的に成分を入れたイベント風呂があった。
露天風呂は岩造りで高級感がある。駅前とは思えない落ち着きで、見晴らしがあるわけじゃないがロケーション的にグッド。
お湯は完全循環で、ときおり入れ替えのために新湯を使う他は使い回しになるが、無加水の飴色の濃厚なお湯はいかにも東京の高深度掘削温泉という感じで、
この料金と施設ならば、としまえん
の庭の湯や板橋温泉スパディオよりもお勧めできるかもしれない。
とくにここのお湯はその臭いといい庭の湯にそっくり。
苦みもある猛烈に塩辛いお湯は海水的で、臭いは出汁風だがとにかくアンモニア臭が強い。二つある露天風呂は上流の浴槽から下流にお湯が流れてくるようになっているが、
この流れてくるあたりに特にアンモニアが揮発するような臭いが漂っている。この辺りは泡も沢山浮いている。
よく温まるが、塩分が濃いので傷にもしみる。湯中で少しすべすべするが湯上がりの肌はべたつく。
年輩の常連さんが毎日同じ時間に通ってくるのは何も地方の日帰り温泉だけではない。ここのロッカーでもまた、「今日はいつもより早いんじゃない?」
「腰が痛かったから」なんて会話が交わされていた。
都市の温泉も田舎の温泉もみんな同じ。