子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★☆☆ 泉質★★☆☆☆ 湯温は少し熱め、薬湯風呂は深いので注意
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にベビーベッドとして使える広い台あり
子連れ家族のための温泉ポイント
京王線で新宿から一駅。
往来の激しい甲州街道を渡れば、そこにはビルとビルに挟まれた狭い商店街があった。
何やら昭和の臭いのする小ぢんまりとした店舗の立ち並ぶ喧騒を途中で折れて、わき道を少し進んだあたりの住宅街に銭湯 栄湯はある。
温度16度ほどの浅い地下水をくみ上げて風呂屋として営業していたところ、成分を測定してみたらメタけい酸濃度で温泉に該当することが判明し、温泉銭湯の看板を掲げるようになった。
板橋区のときわ健康温泉あたりと同じ経緯である。
営業時間は午後3時からだが、その前に三々五々地元の入浴客が入り口に集まってきておしゃべりを始める。
さらにまだ5分前だと言うのに勝手にシャッターに手を掛けて、鍵が掛っていないのを見るや上に押し上げ、入り口のガラス戸をカラカラと開け始めた。
初めてのこちらは面食らったが、ここではいつものことなのかもしれない。
下足棚に靴をしまい、中に入るといきなり男湯と女湯の入り口がある。
脱衣所の入り口前の段差に、みなぞろぞろと腰を掛けて営業までの5分を待つようだ。
時間が来たら一人がのそりと身を起こし、脱衣所に入っていった。
脱衣所の入り口近くに番台があり、入浴料はそこで徴収する。
脱衣所の出入りはそこでチェックできるが、脱衣所の中自体は見えにくいように気を使った位置に番台は作られていた。
浴室の中はそれほど広くない。
壁はオーロラ加工の丸いタイルが敷き詰められていて、魚の鱗のようだ。
カランの数は多いが、浴槽は無色透明の温泉浴槽が一つ、日替わりの薬湯浴槽が一つ、水風呂が一つ、そして別料金のサウナがあるだけだ。
温泉浴槽は圧注浴のスペースが二人分、ジャクージが一人分、普通に入れるスペースが一人分、それぞれぎりぎりサイズ。薬湯も二人で入れば気を使いそうな容量だし、
水風呂に至っては一人で入るのも気が引けるほどに小さめだ。
本日の健康薬用ぶろ「米ぬかオリーブの湯」と称する薬湯の蛍光ライムグリーンがタイル張りのレトロな浴室内でえらく浮いている。
脱衣所にあった飲用可の洗面所だけが水道水で、浴槽とカランに使用しているのは全て温泉。
といっても無色透明無味無臭といたって控えめな主張だが。
ドライヤー使用料が3分20円だったり、冷蔵ケースに入って売られている飲料が数本ずつまちまちだったり、脱衣所にマッサージチェアでなく何故か昔のパーマを掛ける機械のようなものが置かれていたり、
そこはかとなく昔懐かしい印象の残る施設だった。
古いけれどトイレなど要所要所は綺麗に作りなおしてあって好感のもてる温泉銭湯だ。
新宿から一駅・・・今もここには気軽に立ち寄れる温泉かつ昔ながらの銭湯がある。