子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温は温め
- 設備★★★★☆ 雰囲気★☆☆☆☆ 脱衣所に年代モノのマッサージベッドがあるので赤ちゃん連れはこれを借りると良い
子連れ家族のための温泉ポイント
先日行った板橋区のときわ健康温泉に続き、東京銭湯温泉シリーズ第二段。
今回の銭湯温泉は大田区の六郷温泉。
急に思い立って決めたので、消去法で選んだ。
子供が幼稚園から帰ってくる前に帰宅しなければならないので朝10時からオープンしているところ、その日が火曜日だったので火曜日定休でないところ、料金的に400円程度で入れるところなどだ。
最後に候補に残ったのが、六郷温泉と蒲田温泉。
両方とも大田区の黒湯だが、最終的に六郷温泉を選んだのはその立地条件からだ。京急に乗らなくてはならないのは面倒だが、駅から徒歩1分だという。
これならいくら方向音痴の私でも迷わず辿り着けるに違いない。
品川駅からちょっとローカルな雰囲気を持つ京急に乗り換える。まるでモノレールのように、立ち並ぶ低いビル群を上から見下ろしながら、少しくたびれかけた電車はごとんごとんと走っていく。
京急蒲田の二つ先が、目指す六郷土手駅だ。
改札は一箇所で、確か温泉は左手だったかと見回せば、道を挟んで斜め前に既に赤い温泉マークと共に六郷温泉の文字有り。
これは判りやすい。どこの誰でも迷うことは無いだろう。指し示されるまま狭い路地に入れば、およそ30秒も歩かぬうちに六郷温泉の入り口だった。
受付で千円札を出すと、500円玉がひとつ返ってきた。このときは気づかなかったが実は400円という料金(当時)は午後3時からで、それまでは一般入浴ではなく500円の一日静養コースという分類になるらしい。
受付には小さくその旨が記載されていたが、脱衣所から見える壁に大きく張り出された料金表には、ただ大人400円としか書かれておらず少々戸惑った。
脱衣所のレトロさ加減はなんと表現したら良いものやら。
マッサージチェアやマッサージベッドがあるのだが、昨今の日帰り温泉などで見かける最新型と違い、料金の投入口が錆付いているようなシロモノだ。
午前11時ぐらいだったが、既に大勢の先客が入っていた。みな地元の方のようである。
石鹸やシャンプーの備え付けは無く、椅子とケロリン桶だけが備品。浴槽は小さめで五つ並んでいた。端から温泉の低温浴槽、温泉の高温浴槽、水道水を沸かした低温浴槽、 水道水を沸かした高温浴槽、温泉の水風呂になる。
温泉はかなり黒く、身を沈めると足の先はまったく見えない。手や膝の辺りはかろうじて、飴色に見える。
臭いはほとんどないが、僅かにカルキ臭と焦げたような臭い。でももしかしたら温泉の臭いではないのかもしれない。水道水を沸かした透明な真湯の方は、
ちょっと手を入れてみただけでかなりカルキの臭いがしたので入らなかった。
高温浴槽はどんなに熱いかと思えば、41度程度しかなく入りやすかった。低温の方もそれほど変わらないように思う。お湯が不透明なのに何の注意書きもないまま、 高温の方はいきなり深くなるので吃驚する。ここは本当に深くて膝立ちもできない。
水風呂は、見たところパスカルの穴があってもしかしたら非加熱源泉そのままなのかもしれない。しかし猛烈に冷たくて、サウナも利用しない私にはとても入れなかった。 足を浸すだけでせいいっぱいだ。
特筆すべきはやはり肌触り。含重曹の弱アルカリ性泉らしく、湯中でわずかにすべすべ、ぬれたまま腕などこすると顕著なぬるぬる感があり、さらに湯上りはつるつるするのが実感できる。
味は甘塩系で、湯上りの肌はぴりぴりと突っ張り、よく温まっている。
浴槽サイズの割りに利用客が多いので、お湯が少し汚れ気味なのが残念。
帰り道、再び京急に乗ると、六郷土手駅を出てすぐ左手に「一日御静養 六郷温泉」と書かれた煙突だかやぐらだかがちらりと見えた。何だか町中の銭湯らしくて思わず笑みがこぼれてしまった。