子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★☆☆ 温度はぬるめ
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 2階の展望風呂脱衣所にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
一生に一度は行きたい、いつかきっと行きたいと思い続けていた温泉の一つ。徳島県の宿泊キャンペーンで安くなった時に「行こう」と夫に提案したら、「安くなっても我が家にはまだ高い」と一度は却下された。でも諦めなかった。キャンペーン終わったらもっと高くなるから、そしたら二度と泊まれないじゃん?泊まる気があるなら今だよ?
そしてそれからすぐに日本秘湯を守る会のスタンプが溜まったので、それを使って続けて翌年も泊ってしまった。半年間に2度も泊まるとはなんたる贅沢。でもさすがに、今後はもうおいそれとは泊まれないと思う。遠いしね。
徳島県の祖谷温泉は、四国では珍しい非加熱で入れる温泉だ。愛媛県の道後温泉のような例外はあるが、四国の温泉はおおむね冷たい。この祖谷温泉はギリギリ38.2度ほどで、ケーブルカーで降りた谷底の露天風呂でその非加熱の源泉掛け流しに入れる。
専用のケーブルカーで下りるシチュエーションも相まって、非常に夢と人気がある。日帰り入浴もできるが、やっぱり行くなら泊まってゆっくりひたすら入りたいじゃない?ただでさえ体温ぐらいのぬるさなんだから。
場所は本当に秘境というべきところで、崖に張り付くように建っている。料金のわりに部屋が狭いという口コミもあるが、あの場所に広い部屋なんて作れないだろうと思うような場所だ。近くには祖谷渓の小便小僧とかひの字渓谷などの見どころもあるが、とにかく町から遠いし道も細い。でもインバウンドにも人気があるそう。
お風呂の種類はケーブルカーで下りた下に、露天風呂「絹泡夢想の湯」が、2階に展望風呂「雲遊天空の湯」がある。露天風呂の方は男女別+貸切風呂。展望風呂の方は男女別。そして源泉は貸切風呂のみ別。あとは共通。
ではまずケーブルカーで下りる露天風呂へ行ってみよう。男女別のお風呂は「渓谷の湯」と「せせらぎの湯」で、以前は男女固定だったそうだが、今は日替わりで切り替わる。つまり泊まれば両方入れる。
夕方に入ったのは上流側の「渓谷の湯」。湯船のお湯の温度は36.6度だった。本当に体温ジャスト。12月の気温だし、最初ひやりとするかと思ったがむしろ最初こそ温かく、入っているうちにだんだん寒くなる。肩など出ている部分が冷えるから。
ほんのりゆで卵臭。そしてアワアワ。繊細でとてもシルキーなアワ。湯口の近くより、川に近い側の方がよりアワ付きがいい気がする。またその辺りはちょうどアワがたくさん流れてくるから、他が透明なのにアワのせいで白濁して見える。まるでそのあたりからアワが出ているのかと錯覚しそうなぐらい。
アワの手触りがとても良い。すべらかで絹織物をなでているよう。入るとすぐにアワに包まれ、触れるといっせいにアワが立ち上る。湯の花は見当たらない。
味はゆで卵とほんのり爽やかな苦味。そしてアルカリなぬるりとした舌触り。一方肌触りの方はアワを払った後は特にヌルヌルすることもなく、1時間も入っているとどこかすべすべしてくる。マジで1時間入れる温泉だ。
ちなみに2階の展望風呂は加熱循環。シャワーやシャンプーがあるので、体を洗うにはこちらの方が良い。お湯としては源泉の繊細さが失われているが、谷底で湧いたお湯を上まで引き上げる間に硫黄成分と鮮度によるアワが抜け、循環することによりアルカリ性のヌルヌル感が増している。早い話がアルカリ性単純泉のような特徴が前面に出てくる。
循環とはいえ、湯口からは冷たいままの源泉を出している。あのシルキーなアワは残っていないけれども。
残りはやはりケーブルカーで下りた谷底の貸切風呂だが、こちらは別源泉といっても主源泉のすぐ近くで湧いていて泉質も変わらない。ただほんの0.1度ほど主源泉より源泉温度が高いらしい。
それ以上に狭い湯船にドバドバ大量の源泉が注がれることで、男女別の露天風呂以上に鮮度が高い。アワ付きも良し。早朝に入って湯船の温度も37.6度。気持ち温かく感じるので快適だ。
宿泊に関する詳細はYahoo!ニュース エキスパートの記事に書いたので、良かったらそちらもご覧ください⇒秘境の温泉というロマンを求めて、ケーブルカーで行く露天風呂の温泉に泊まってみた
「和の宿 ホテル祖谷温泉」の温泉の撮影の許可取りについて少し記しておく。
事前に連絡して撮影許可を頂いたのだが、日帰り入浴も受け付けているため、他のお客さんがいない時間帯の撮影が厳しい。なのでホテル側では、取材時に限り営業時間前の早朝に撮影時間を設ける。しかしここはケーブルカーを使わないと行かれない谷底。早朝にうるさくガタゴトとケーブルカーを何度も動かしたくないため、通常の入浴時間の1時間前にスタッフがメンテナンス確認をするときに一緒に下ろしてもらい、営業時間になるまで下で待機することになる。その時は、必ずホテルの広報担当が同行する。
つまり結果的に同行スタッフの時間を1時間以上拘束することになる。野沢温泉の外湯撮影もそうなのだが、自分が大変なのは構わないが、広報担当者の時間を拘束しなくてはならないことを考えると、気楽にお願いしにくいという部分はある。
なお「ホテル祖谷温泉」の2階の展望風呂は清掃時間に撮影させていただくこともできたのだが、こちらは私の方が朝のうちにチェックアウトしなくてはならないスケジュールだったので叶わなかった。