日光湯元温泉 湖畔の宿 湯の家

日光湯元の温泉旅館 貸切家族風呂有り

  • 所在地 〒321-1662 栃木県日光市湯元2512 TEL 0288-62-2431 FAX 0288-62-2468
  • 泉質 含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(硫化水素型)(中性低張性高温泉)
  • 公式サイトURL http://www.nikko-yunoya.jp/
  • 源泉 湯乃屋 No.1、2号混合泉
  • 設備等 男女別内湯(広い)、貸切家族風呂(こちらは宿泊者専用)
  • 日帰り入浴時間 要電話確認
  • 入浴料 大人600円、小人400円
[2005年2月のデータ(宿泊利用) 2015年11月一部改訂]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★☆☆  泉質★★☆☆☆  お湯は熱め、泉質は少し刺激有り
  • 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッド有り

日光湯元温泉 湯の家 体験レポート

奥日光湯元温泉 湯の家旅館の外観 湯の家旅館の客室
日光湯元温泉 湯の家の外観と客室

 戦場ヶ原というのは、その昔、日光の神と赤城の神が戦をした伝説が由来となっている。
 日光の神というのは「にっこう」すなわち二荒の神であり、男体山を指す。
 対する赤城の神というのは群馬県の上毛三山の一つ、赤城山だ。
 この闘いで勝利したのは日光の神だった。
 立木観音(中禅寺)が勝利の歌を歌った場所であり、勝利の記念に残されたのが中禅寺湖の小島、上野島であるとされる。
 ちなみに負けた赤城の神は追われて今の群馬県利根村にて傷を癒し、その場所に湧いた温泉を老神(追い神)温泉と呼ぶ。

 標高1400メートルある戦場ヶ原から更に少し登ると、やがて車窓に湯の湖が見えてきた。南側は凍っているが、湯元に近い北側は不凍湖になる。湖の底からも温泉が湧いているからだ。まさに湯の、湖なのだ。
 日光湯元温泉の湯の家旅館は温泉街には入らず、一番手前の湖畔に建つ。

 建物は思ったより大きく、内部は外観のイメージより年季が入っていた。
 部屋の窓からは隣のホテルとそびえる山、そして駐車場の向こうに少し遠いが湯の湖も見える。
 修学旅行生も使う宿だから子連れでも気兼ねない。

湯の家旅館の宿泊者専用貸切家族風呂 貸切家族風呂の湯口
日光湯元温泉 湯の家の宿泊者専用貸切家族風呂 。湯口はライオンの貌。

 湯の家のお風呂は男女別の大浴場の他、宿泊客専用の貸切家族風呂がひとつある。
 貸切風呂は予約や時間制限は無く、空いていればいつでも鍵をかけて入れることになっている。
 よくある家族風呂というのは、小さいところは人一人サイズ、大きくても3、4人がやっとというところが多いが、湯の家の貸切風呂は大きかった。
 場所によっては宿で一番大きな大浴場でこのサイズのところもあるというくらいの大きさだ。なんとも贅沢。

 貸切風呂の脱衣所にもベビーベッドがある。こんなところも珍しい。
 シャワーも3基ある。シャンプー、ボディーソープなどはやたらと沢山並んでいて、どれでもお好みのものをお使い下さいという感じだった。

 お湯は結構熱い。
 湯の家の温泉は自家源泉。敷地内に自噴する2本の源泉をブレンドして使っているという。
 昼間の中禅寺金谷ホテルと同じペパーミントグリーンの濁り湯だが、ずっと濃厚だ。鼻を突くほどの硫化水素臭に、粉のようなごく細かい湯の花。濁り具合は激しく足下はまったく見えず、肌触りにはきしきし感とともにすべすべする感触がある。そう、このすべすべする感触がさっきの金谷ホテルではまったく無かった。

 湯口は二股に別れたパイプ状のものと、ライオンの顔と二種類有り、口からお湯を吐く精悍なライオンの口は析出物で白ひげ状のすごいことになっていた。
 ライオンの上にコップが置いてあったので、味見をしてみると強烈に苦い。薬っぽい苦みの最後に少し渋み。粉っぽいテクスチャー。
 思わず顔をしかめる私を見て、幼稚園児の娘が一言
 「ママ、何でライオンのよだれを飲んでいるの?」

湯の家旅館の大浴場(女湯) 湯の家旅館の大浴場(男湯)
日光湯元温泉 湯の家の大浴場 女湯と男湯 (左右対称で同デザイン)

 大浴場の方はさらに大きい。結構吃驚するぐらい大きな浴槽なのだが、何故か壁と天井一面が怪しげなピンク色に塗りたくられている。
 それも何だか塗料の垂れたあとだかでこぼこした部分や析出物でごてごてした部分もそのまま上からピンク色を重ねてあるので、湯気の充満した浴室は、ピンク色の鍾乳洞みたいで妙な雰囲気だった。

 細かい粉のような濁り湯が気持ちいい。
 湯口は奥に二ヶ所、手前の浴槽内に一ヶ所、合計3ヶ所ある。
 二ヶ所の湯口は熱い湯が出ているが、貸切風呂と同じライオン顔のデザインの湯口だけはごくぬるい湯が出ている。
 実はこのお湯は、熱交換したあとのお湯なのだ(残り二ヶ所は50度以上の源泉そのまま)。お湯から抜かれた熱は、シャワーカランの他、旅館内の暖房にも使用されている。
 夏場は源泉温度も60度以上に上がるし暖房の需要もないので、山水による加水をせざるを得ないというが、冬場は薄め無しの濃厚な硫黄泉を楽しめる。

 最後に精算したとき、お釣りに返してもらった10円玉を見て苦笑。
 コインに見えないほど黒ずんでいる。
 女将さん曰く「硫黄でどうしてもこうなっちゃうんですよ」
 ううん、強力。
 奥日光湯元温泉。