子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★☆☆☆ 熱めで刺激のあるお湯
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 貸切家族風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
那須湯本で白濁した鹿の湯源泉を引く宿の一つ。とちぎにごり湯の会の会員宿らしく、入口に札が出ている小ぢんまりとした旅館。
泊まった日は10年に一度の大寒波が来る来るとニュースで騒がれた日で、実際に夜は激しく吹雪いてマイナス10度を超えたのに、部屋の窓が凍り付いても広縁と寝室は障子を一枚隔ててとても温かく、浴室も硫化水素対策で換気をしているのにとても温かく、非常に居心地が良かった(廊下は一部雪が吹き込んでいたが)。
浴室は男女入れ替えで、他に自由に鍵を掛けて入れる家族風呂が1つある。
まず夕方に入ったのは「若鹿の湯」。ここはシンプルな浴槽のほか、腰湯(半身浴)と打湯(打たせ湯)があり、打湯は冬はお休みなので、ここも上からお湯が落ちてこないただの浴槽になっている。
ここは鹿の湯源泉を自然流下で引いていて、加水も加温もしない源泉掛け流しが自慢。唯一打湯だけは加水するそうだが、今の時期はそれを確かめるすべはない。
温度はどの浴槽も41~43度とまことに適温。一つ前に立ち寄った小鹿の湯と比べると、少し硫化水素臭のくさりぐあいは弱く感じるが、やはり鹿の湯源泉は肌にビリビリと刺激的。
お湯の色は白いミルキーな濁り湯で、湯口はどれも浴槽内になっていて空気に触れさせずにお湯を注入している。この辺もお湯の劣化を防ぐこだわりだ。
貸切の家族風呂は浴槽は一つだが、その半分ほどが斜めの寝湯になっているという面白い作り。
残る浴室は朝に女湯になった「千慈の湯」で、こちらは「若鹿の湯」に似ているが、腰湯の代わりに寝湯が、打湯の代わりにかぶり湯がある。
このかぶり湯とは柄杓で頭からお湯を被る入浴法だが、正式には頭をタオルで覆い、後頭部から首筋に掛けて200回ほどお湯を被るものらしい。
実際に夫がそれにチャレンジして、タオルを被ってザバザバと頭からお湯を掛けたら、タオルが湯の花で真っ白になってしまったそう。その後、うっかり顔を洗ったらめちゃめちゃ目に染みたとか。被っているときは大丈夫だったのにと。
いずれの浴室もそれほど広くはなかったが、いつ行っても誰にも会わずずっと独占できた。そして夜中激しく吹雪いた翌朝は、宿の周りもすっぽりと白い雪に覆われていた。