子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質 ★★★★☆ 温度はぬるめ、泉質に刺激などは無し
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★☆☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
畑下(はたおり)は塩原温泉の中でも旅館の密集している古町、門前、畑下エリアの中で最も東にあり、U字型に蛇行した箒川に沿って道幅が狭くなったあたり。
心づくしの宿ぬりやの「ぬり」は会津塗を由来としている。会津塗を扱う行商人の定宿であった歴史を持つ宿故ということで、そういえば塩原には会津に抜ける街道の宿場として栄えた歴史もあった。
前年にも行こうと思って、ついつい共同浴場を優先して時間切れになった思い出がある。今年こそは入らなくてはと思っていたが、またまた日帰り温泉の終了時間ぎりぎりになってしまった。ただ、去年通っているから、場所はわかる。立派な木造湯屋造りの清琴楼の隣で、ペットと泊まれる福久寿苑の向かい。ぬりや自体は両側の建物に挟まれて窮屈そうに見えていた。
玄関は開けてあったが、ロビーは無人。電気をつけるには早いが、夕方なので館内が少し薄暗く見えた。ちょっと声を掛けると宿の人が出てきて受付をしてくれる。受付の応対は感じが良い。
お風呂は年季の入った感じ。浴室全体が温泉成分で茶色に染まっているようで、お湯自体は金属のにおいがふわわと立ち上る。少し茶色っぽい濁り湯だが、濁りは薄く底まで見える。
湯口も赤茶色に染まっていて、カランではなくそこからお湯を汲んで使う人も多いそうだ。
温度はぬるめ適温。体温よりちょっと温かいぐらいなので、いつまでも入っていられそう。
湯口のお湯は浴槽の温度からすると熱めに感じたが、触れる程度の熱さ。飲んでみると金属にプラスしてじゅわっとする、いかにも炭酸水素塩泉らしい味。
上がった後もやっぱり受付は誰もいなかった。そのまま「ありがとうございましたー」と声を張り上げて宿を後にする。なんとなく古びた畑下温泉街の佇まいも含めて、時間が止まっているようなぬりやだった。