老松温泉 喜楽旅館(廃業)

いつ廃業するかわからない 得体のしれない名湯⇒残念ながら廃業しました

  • 所在地 〒325-0301栃木県那須郡那須町湯本181 TEL 0287-76-2235
  • 泉質 弱アルカリ泉
  • 設備等 男女別内湯、有料休憩室
  • 日帰り入浴料 大人500円
  • 日帰り入浴受付時間 8時~20時
  • 廃業するという話も出ていましたが、2015年11月現在日帰り温泉として営業しておりますが、念のため事前に電話をしてから入浴に来てほしいそうです。こちらの情報はdarumamanさんより頂きました(ありがとうございます)
[2005年10月のデータ ただし廃業に関しては2021年5月に追記]

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  • 温度★★★★☆  泉質★★★☆☆  源泉はぬるいがバルブを捻ると加熱した熱湯が出るので注意
  • 設備★★☆☆☆  雰囲気★★☆☆☆ 濁り湯で底が見えないので子連れは注意

老松温泉 喜楽旅館 体験レポート

老松温泉喜楽旅館 右が受付で左が浴室のある建物 これでもここに来るまでの道すがらからすると、まともな建物
アプローチから既に不安がよぎる

 老松温泉とは那須湯本にある胃腸病の名湯だ。
 結構人気があるらしい。
 何でも鹿の湯とは違うアルカリ性の硫黄泉で、胃腸病に効き目があり、特に糖尿病を煩っている人たちには大変な評判だという。

 ある意味、老松温泉喜楽旅館ほどスリル満点のアプローチは無い。
 場所は那須湯本温泉街の外れ。
 那須IC方面から行くと、湯川を渡る橋の手前の細い道に看板が立っている。郵便局や町役場の方まで行ったら行きすぎだ。

 那須湯本温泉の雲海閣に宿泊していたので喜楽旅館へは徒歩で行くことにした。
 位置的にはちょうど雲海閣から川を見下ろしたすぐ先にあるのだが、道が通っていないので大回りしていかなければならない。

 看板のところでまるで私道のような細い道に入ると、しつけのされていない三匹の犬が見境無く吠えたて飛び出してくる。繋いでいないので飛びかかられるんじゃないかと思った。
 さらに歩くと道は未舗装路になり、思わず悲鳴を上げたくなる廃屋や首だけが転がっている人形など、不気味なものばかり目に入るようになる。
 正直、行くのをやめようかと思ったほどだ。
(話せば長くなるので、このあたりの詳細は旅行記「那須の紅葉旅」で。ホント泣きたくなったよ)

 道を挟んで左右に朽ちかけた建物が建っている。
 確かに襤褸だが、それでも手前の廃屋を見た後だとまともな建物に見える。
 受付は右手の建物だった。
 炬燵でテレビを見ていたおやじさんが料金を受け取った。
 「初めてなの? 向かいの建物の階段を下りて廊下をずっと行ったところにお風呂があるから。ぬるめのお風呂にゆっくり入って行ってよ」

この木の階段は立派だ。お風呂はこの下の廊下の先
お風呂はこの階段下の廊下の先

 言われた入り口を入り靴を脱ぐと、まともな木の階段が待っていた。
 今までの行程が行程だったので、中もとんでもない状況なのではないかと思っていたのだ。
 廊下も古いところと作り替えた新しいところとある。
 暖簾は普通だったが、脱衣所は狭くお世辞にも綺麗とは言えなかった。
 脱衣籠が4つ5つ埋まっていた。

 「失礼しまーす」
 タオルを手に浴室に足を踏み入れると、先ほどの雲海閣の硫黄泉より少し広い浴室は湯気が充満してうすぼんやりと煙っていて、先に入っていた人たちが「こんにちは」と声をかけてくれた。
 雲海閣が入り口を入って横に二つ浴槽が並んでいるのに対し、喜楽旅館は縦に二つ並んでいる。
 こちらも四角い木製の浴槽だ。
 青白い濁り湯がたたえられていて、何故かそれぞれに二つずつバルブのついたパイプが伸びている。

老松温泉喜楽旅館の女湯 老松温泉喜楽旅館の男湯
左が女湯で右が男湯

 浴室中に漂う臭いは、レモンに似た酸っぱいような臭い。さらに熟しすぎて傷んだ果実のような臭いに腐ったゆで卵のような臭いも混じっている。
 窓側がぬるく、入り口側が熱めだった。

 先にぬるい方に入ってみると、温度はそんなに高くないのにすぐに唇の辺りがじんじんと痺れてきた。中から血行がよくなっているような感じだ。
 だいたい木の浴槽に青白い硫黄臭のお湯が入っていたら、それはもう熱い湯と相場が決まっている。これでぬるい湯というのがまず意表をつく。

 先に入っていた一人が、バルブのひとつを回して湯を出し、それを備え付けのコップで受けて静かに飲んでいた。
 真似してコップを手にして隣の浴槽のバルブを捻る。
 シューッと圧力のかかった音がして、コップに湯が少し入った。
 それを飲もうとして口を付けて思わずむせる。
 コップの口に揮発した刺激性のガスが登ってきたらしく、目尻に涙が浮かんでしまった。

 先に入っていたお客さんたちがちらほらと上がっていき、気が付くと自分の他は、常連らしいご婦人一人となっていた。
 「こっちのバルブはボイラーで湧かしたお湯で、もうひとつのバルブは温度を下げるための水が出るの。でも水の方も湧かしていない源泉だから、いくら入れても薄まることはないらしいのよ」と教えてくれる。
 両方の浴槽に両方のバルブがついているから全部で四つなのだ。

 でもぬるい方の浴槽の水のバルブはいくら捻っても何も出てこなかった。
 「この温泉は飲んでもよく効くの。でも凄い味なのよね」
 ああなるほど。飲むときは加熱していない方のバルブを捻って飲んでみれば良かったのか。
 教えてもらった非加熱源泉をコップに受けて飲んでみた。
 最初の一瞬はフルーツのさわやかさを感じる口当たりなのに、すぐに渋い老いたような味に変わる。そしてそれがいつまでも舌に残る。
 臭いもそうなのだが、ここのお湯は老松と名につくからと言うわけでもないのだろうが、妙に老いを感じさせる。
 肌触りはきしつくが、ぬるつく感じもある。濁り湯でも粉っぽさみたいなものは無い。

 一言で言うと・・・そう、得体の知れない名湯・・・なんてものがあるとしたら、きっとここのことだろう。

この温泉を訪問した時の子連れ旅行記

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