川俣温泉 川俣一柳閣

渓流沿いの露天風呂が良い雰囲気 日本秘湯を守る会の宿

  • 所在地 栃木県日光市川俣40-3 TEL 0288-96-0111
  • 公式サイトURL http://www.kawamata-ichiryukaku.jp/
  • 泉質 ナトリウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉) 源泉名 桂の湯
  • 設備等 男女別内湯、混浴及び女性専用露天風呂、予約不要の貸切露天風呂が三つ
  • 日帰り入浴受付時間 10:00~14:00
  • 日帰り入浴料 大人 1,000円
[2003年3月のデータ(宿泊利用) 2015年11月一部改訂]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★★ 泉質★★★★★  貸切露天風呂が特にぬるく赤ちゃん向け、泉質も刺激なし
  • 設備★★★★☆  雰囲気★★★★☆ 予約不要貸切露天風呂(日帰利用可能)が三つありベビー連れにグッド

川俣温泉 川俣一柳閣 体験レポート

川俣一柳閣の入り口 川俣一柳閣のロケーション
川俣一柳閣の入り口と上から見下ろした全体のロケーション

 栃木県の栗山村には平家の落人伝説が伝わる。最も有名なのは山を隔てた湯西川だが、鬼怒川の上流、ここ川俣もまた、源氏に追われた平氏が落ち延びたと言われる。事実、川俣湖のほとりには、平家塚という落人 平藤房が宝物や武具を埋めたとされる塚が有り、みだりに足を踏み入れると足が腐るとされた。

 その平藤房の子孫、平藤四郎が発見したのが川俣温泉だそうだ。
 会津西街道を川治温泉で鬼怒川に沿って西へ折れ、景勝地 瀬戸合峡を過ぎて川俣湖の更に先、渓流沿いに温泉旅館が点在している。
 川俣一柳閣は、川俣温泉の最奥にある。本館の三水館と、新設した三雅館とあり、ロビーは最上階で、建物は渓谷に沿って下へ下へと伸びている。全ての客室から鬼怒川が見えるように。

川俣一柳閣の混浴露天風呂 川俣一柳閣の混浴露天風呂
川俣一柳閣の混浴露天風呂

 さて、ここは男女別内湯のほか、混浴露天風呂、女性用露天風呂、三つの貸切露天風呂がある。
 その全てが渓流沿いに有り、美しい鬼怒川の流れを楽しみながら入ることができる。訪れたのが3月だったので素晴らしいモノトーンの雪見風呂が待っていた。別の季節であればさぞや新緑や紅葉が綺麗だろう。

 混浴露天風呂と女性用露天風呂はほぼ同じつくりで岩風呂だ。少し男性用の方が大きいようだが、不公平を感じるほどには違わない。両方とも岩風呂の隣に檜風呂もあったが、冬場は使用しないらしく残念ながらブルーシートがかかっていた。
 岩風呂の湯は熱め。あまり小さいお子さん向けではないかもしれない。赤ちゃん連れなら貸切露天風呂が何よりお勧め。

川俣一柳閣の貸切風呂(桧) 川俣一柳閣の貸切露天風呂(泡)
川俣一柳閣の桧の貸切露天風呂と、泡の貸切露天風呂

 貸切の露天風呂は、檜風呂、泡風呂、洞窟風の画像 本来は打たせ湯の浴槽らしいがこのときは打たせ湯が出ていなかった)とあり、予約不要で空いていたらいつでも使用できる。この気軽さがいい。一応、後の人のことを考えて、30分で上がるようにとの張り紙がある。

 プライベートに使えるように左右が仕切ってあるので、見たときはどれも狭く小さく見えたが、実際に入ってみると、思いのほかどの浴槽も大きいことに気づく。カップルで貸切はもちろんのこと、4人家族ぐらいなら、全員でのんびり入れる大きさだ。
 お湯の温度も貸切は三つとも温めで、特に洞窟風の湯が温い。ここは深さも浅く、貸切の中では一番広いので、家族連れには使い勝手が良いかもしれない。
 ちなみに一番渓流の眺めが良いのは、泡風呂。岩の低くなっているところから見下ろすと、鬼怒川を独占している気分が味わえる。
 檜風呂は浴槽の雰囲気が良いので、これはこれでとても気持ちが良い。

川俣一柳閣の女湯露天風呂 川俣一柳閣の貸切風呂(洞窟)
川俣一柳閣の女性用露天風呂と洞窟風の貸切風呂

 お湯はその日の昼間に入った栗山温泉 四季の湯ほどはっきりした個性は無いが、無色透明。淡い昆布臭のする出汁系の湯だ。味も昆布出汁の味で、塩味などはほとんど感じられない。少しきしつく感じがある。ちなみに露天風呂では湯の花はほとんど見られないが、内湯では虫のように巨大化した赤茶色の湯の花がたまにゆらゆらしていた。

 ここの宿は夕食は部屋食でこそ無かったが、大広間でもちゃんと客ごとに仕切った部屋を用意してくれて、子供づれには助かった。それでもまだ、子供たちが騒がないかと冷や冷やしながらの食事はもうひとつ食べた気がしないのが残念だ。

川沿いの絶景露天風呂 川俣一柳閣の女湯内湯
川沿いの露天風呂から見える景色とシンプルな内湯

 子供たちが寝静まった後、ようやく一人でのんびり露天風呂に行くことが出来た。
 夕食後は浴衣姿のグループ連れが露天風呂の周りを逍遥していたが、今はひっそりとして人影は無い。川のせせらぎだけが響いている。
 掛け湯をして足を入れると、じんとしびれるような熱さ。誰もいない浴槽に広々と手足を伸ばす。温い湯もいいけど、熱い湯も好きだ。岩の縁に歩み寄れば、ここからの鬼怒川の流れは素晴らしい。小さな瀬があり男性用の露天風呂より眺めが良いかもしれない。

 ふと見上げればひときわ明るい惑星を従えて天空に浮かぶは、少し欠けた柔らかな春の朧月。

女性の混浴風呂攻略ポイント

  • 貸切露天風呂
     楽勝でしょう。というか、家族連れはもちろん、カップルならここの貸切は一押しです。日帰り利用もできます。絶対行きましょう。
  • 大野天風呂(混浴露天風呂)
     脱衣所も丸見え、お湯も透明。他に人がいるときは結構難易度が高いです。隣の女性用露天風呂で脱いで、連れ合いに他に人がいないときを見計らって呼んでもらい、タオル巻きで移動する方法が無難でしょう。まあ、貸切があるので無理して入らなくてもいいと思います。