子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質 ★★★★★ 温度は熱めだが、なんなら冷たい温泉を足すとか
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 貸切風呂なのは助かるが、サポートグッズを持参した方がいいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
まず足利温泉の場所がわからない。
公式サイトのアクセスを見ると、埋め込みの地図に「このページでは Google マップが正しく読み込まれませんでした。」と表示されている。そして公式サイトに記載された住所を直接google
マップで検索すると、そんな住所は存在しないとばかりに「名草上町」全域を赤で囲ってくださる。(2020年1月現在)
どうやってたどり着きゃいいんだ?難易度高すぎだろう。
ちなみにgoogleマップで住所ではなく「足利温泉」を検索すると、ようやく候補の一つに出てくる。これは足利温泉さんがgoogleに連絡してようやく出せるようになったそう。それも本当につい最近のことらしい。(足利温泉の地図はこの記事の下にも貼っておくから安心してくだされ)
この謎の足利温泉で埼北温泉愛好会のオフ会が開かれることになった。幹事はONKEN21氏。他にも女子がいないと参加できないと私が我が儘を言ったため、なおみんさんとおじゃるさんも参加してくれた。ありがたいやら申し訳ないやら。
さて、なんか知らんが誰より先に到着してしまった私。送ってくれた夫は急な話だったので会には参加せず、また後で迎えに来てくれる。私一人で謎の施設に潜入…
貸切風呂が4つあると聞いていた私、足湯カフェもあるんだ、へえー、洒落て…る?
で、実際に入ったドアはこの緑の壁に隠されていた。しかもこの緑の金属ドアを内側から閉めるのにドアノブがないという(下の隙間に足を引っ掛けて引っ張るのです)。
いや、ほかにも入口あるから。
中にはなんかちょっと不思議な空間が待っていた。休憩室兼カフェスペース?
反対側には素敵な薪ストーブが。寒いのでしばらくここに張り付く。コートは車に忘れてきたので夫がもう走り去ってしまった今、迎えに来てくれるまで我慢するしかない。ちなみにこの薪ストーブ、ピザも焼くこともあるんだとか。
パン、ジャム、温泉たまごなんかを売っている。なお、このカフェのパンもコーヒーもお茶も全て温泉をつかっている。温泉たまごも温泉で煮ているそう。
ふだんあまりコーヒーを飲まない私は、温泉コーヒーだからどう違うかはうまく言えないが、後味の舌触りにつるんというか、ぬるっとしたものを感じる。
三々五々、メンバーが集まってきたのでお風呂の見学に行く。奥に見えている白い建物の下で源泉を汲み上げているもよう。建物にくっついている白い入口みたいなのは温泉スタンドだ。そしてその右側に三つ並んでいるテントが貸切風呂のテント。
中はこんな感じ(この時点ではまだお湯が入っていない)。青いプラスチックのたらいは水風呂用。
一番お湯の量が少ないステンレスバス。こちらだけは足利温泉のご主人が10年以上個人的に使ってきたものだそうで年季が入っている。ここはこうした貸切風呂を作ってお客さんが入浴できるようにしたのはごく最近だが、温泉の販売自体は以前から行っていた。そしてお湯の汲み上げはさらにそれ以前から?
貸切風呂の営業が基本的に金曜日なのは、金曜日に温泉の配達に行くため源泉を汲み上げるからだとか。
ところで足利温泉の分析表には源泉温度は29.1度となっていて、それ故に「低温泉」と分類されているが、実はこれは信用しちゃいけない。だからお風呂のお湯が熱くても、なんだ加熱しているのかな~んて騙されちゃいけない。
「実のところ、源泉温度は何度なんですか?」
「うーん、70度以上はあるな」
おっとこれはオフレコ。
ちなみにこんな謎の建造物も建設中だが、
「あれは何を作っているんですか?」
「えー、秘密秘密、夏ぐらいにはできるからまた来たら?」
と何かと秘密の多いご主人、いや秘密の多い足利温泉。
なお、帰りがけに別のスタッフさんに
「完成が楽しみですね」って言ったら
「あ、露天風呂?」
(バレちゃった?)
今度は逆にご主人に聞かれる。
「温泉って何?」
「えっ…入ると幸せになるものじゃないんですか?」
「あー、全然わかってないね」
早速ダメ出しいただきました。
しかし、よく考えるとなかなか理にかなったユニークな貸切風呂なのだ。まず一組入る毎にいったんお湯は全て捨てて入れ替える。温泉は常に新しい新鮮なものが入る。
温泉そのものを楽しむために時間を掛けるとしたらどうするのが一番良いのか。答えは水風呂を用意すること。この水風呂の中身も温泉だ。一晩冷ました源泉をそのまま使っている。
テントが狭い分、その中は温泉の湯気でミストサウナ状態になっている。またテントの中には椅子を用意して、お風呂に入ったり出て座ったりしてじっくりお湯と向き合うことができるようになっている。
男性陣は次々と入浴していくが、まだ他の女性が到着しないので私は薪ストーブの前で震えている。先にランチになった。
メニューのカレーも温泉カレー。温泉を使って調理しているからスパイシーなのにどこかまろやか。
食事をしたのはこちらの赤いテントの中。足湯カフェにするときに使うらしい。中は全てが赤いフィルターを通したみたいな色になっちゃって、みんな食べているものが赤く見える。目のホワイトバランスが狂った。
食後は再び薪ストーブに張り付いて、温泉ミントティーを頂いた。このミントティーめちゃ旨っ。
ポットの中を見せてもらったら生のミントの葉が入ってた。もちろんこのミントティーも温泉で抽出。
そしていよいよ入浴タ~イムっ。いわゆる溜め湯だが、ここは常に一番風呂だから。
加水加熱循環などの加工はいっさい無し。
かなり熱い。外が寒いのでじんじんと痺れるよう。においは温泉のにおいじゃなくて浴槽の木香か。なめらかなお湯で手をこすり合わせると掌がつるつるする。熱いのにじわっと温まるまで少しタイムラグ。そして温まりだすと一気に汗が噴き出す。
温泉水風呂も入ったよ。ただし膝上ぐらいまで。もともと誰より水風呂が苦手な私だし、だいたい1月後半なんてもっとも寒い時期じゃないか。温泉だからなかなか冷めなくて苦労するなんてご主人言ってたけどさー、この時期としては冷たすぎるってば。修行かよ。
でも極寒水風呂に膝まで入れた後に熱いお風呂の浴槽に戻ってくると、これまたものすごく血行がよくなる。2回は繰り返したぞ。
難点があるとすれば、テント内は床は掛け湯でぬれるし、内部は湯気で湿度が上がるから、脱衣スペースが他にあると助かる。入口で靴をぬいで、後はテントの中でとなると、なかなか辛いものがあった。寒い時期は着ているものも多いし。
なお、緑のテントは木の浴槽(この写真に写っていない位置にもうひとつ木の浴槽用のテントがある)で、一番左の白い屋根の小さなテントだけがステンレスバスだ。
最後に女性陣は全員ステンレスバスの方にも入れてもらった。こちらは一人用サイズかな。詰めれば二人までいくか。
ステンレスバスはテント内にも光が届くので、ここでようやくお湯の色が黄色いことがわかる。入りやすさもこのお風呂が一番。テントが四角いのも居住空間が広く感じられて快適なのかもしれない。
ここでタイムアップ。夫が迎えに来た。
カフェスペースを切り盛りしていたお姉さん(奥様?)がとても親切で優しかった。ご主人は既製のの温泉の概念に捕らわれず、こうしたいという目的のために最善の解を探すような方。
だから今後の足利温泉の進化が楽しみでならない。突拍子もないアイデアが出てきそう。
というわけで、当日お会いしたみなさま、お世話になりました。またの機会に。
本当なら1年遅れで温泉レポートを書き気味の私だが、足利温泉に関しては1年後の施設は別物になっている可能性もあって、珍しく速攻でレポートさせていただきました。