子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ ぬるめの浴槽あり、泉質に刺激なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にクーファンあり
子連れ家族のための温泉ポイント
下田の蓮台寺温泉近くの一軒宿。和風の建物だが、庭の一角にミニミニ天文台のような天体望遠鏡が備え付けてある。
ここは混浴の千人風呂が有名なところで、取材で訪れた。
源泉は敷地内の浅いところからぬるめのお湯を、裏山の深いところから熱めのお湯を引いて混合して使っている。ぬるい方は昔から使っている源泉だが、熱い方は女将の父が10年以上かけて掘ったという苦労の温泉だ。この熱い方は飲泉もできるという。
たまたまこの日は裏山の温泉の調子が悪く、ちょうどご主人は様子を確認しに出かけていた。それで浴槽のお湯も普段よりかなりぬるくなっているという話だった。
まず混浴の千人風呂へ。ここの温泉は無色透明だが、千人風呂はバスタオル巻き可能だ。女性の場合は女性用脱衣所で支度をした後、千人風呂の鍵を持って混浴につながるドアを開ける。このドア自体が既にお湯の中という変わった作り。しかものぞき穴付き。ここから入れそうかチェックが可能。
そして混浴ゾーンに入ったらドアの鍵を閉めて男性が女性用脱衣所や女湯に入ってこられないようにする。自分が脱衣所に戻る時にまた鍵を使うので、鍵は身に着けたまま入浴することになる。
千人風呂は広く風格があるが、さすがに千人は入れない。そしてお湯の中に転々と何か銅像が飾られていると思ったら、何やらなまめかしいポーズを取った女性の像だった。ちょっと目のやりどころに困るなぁ。
お湯自体は千人風呂も女湯も共通のはずなので、千人風呂はサッと浸かっただけですぐに女湯に移動してしまった。落ち着かないし、バスタオル巻かないで入りたいし。
女湯もなかなかどうして、千人風呂に負けない立派な浴室だった。一つの大きな浴槽ともいえるが、中がいくつかに仕切られていて、それぞれ深さや温度が違う。
長方形の長辺の中央が階段状になっていてそこから入ると、左右に囲われた部分が少し熱く、それ以外はぬるめ、そして奥の方は深くなっていた。2本の源泉は単純に混ぜてしまうのではなく、入れ方を工夫して温度変化を出しているらしい。
なお、入浴中にご主人の調整が終わり、熱いお湯も出るようになった。
湯口には析出物が付き、肌にはすべすべ感が強く感じられる。熱い源泉の湯口にはコップが置かれていて、味見をすると舌に引っかかるテクスチャーだが僅かな塩味と苦みが感じられる飲みやすい味わい。
最初ぬるかったからというわけではないが、どうにも一度入ると出たくないと思うようなところ。静かにのんびり半日ぐらいの時間を過ごしてみたい。