修善寺温泉 新井旅館

登録有形文化財の宿、登録有形文化財の風呂

  • 所在地 静岡県伊豆市修善寺970 TEL 0558-72-2007
  • 泉質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉) 源泉名:修善寺温泉 混合泉
  • 日帰り入浴 昼食または夕食付き日帰り入浴プラン有り 公式サイトから要予約
  • 設備等 男女別内湯、男女入れ替え制露天風呂、貸切風呂など
  • 公式サイトURL http://arairyokan.net/
  • ※伊豆観光公式サイト 美伊豆B-IZUの取材で訪問 記事はこちら⇒伊豆温泉紀行~温泉ライターが巡る名湯と海一望の露天風呂~
[2022年2月のデータ ただし一部は2023年2月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 泉質に刺激なし 
  • 設備★★★★★☆ 雰囲気★★★★★ 貸切風呂あり 

修善寺温泉 新井旅館 体験レポート

修善寺温泉新井旅館

かの芥川龍之介が身内に書いた手紙に、水族館のようだ、一見の価値があると記したお風呂がこの旅館にある。

修善寺温泉 新井旅館の外観

登録有形文化財の宿で、もちろん古く趣があるのだが、それだけでなく新しい。どういう意味?と思うかもしれないが、同じ木造であっても、磨き上げ、場合によっては削りなおして真新しい白木のように見える、そんな宿。

新井旅館

だから重厚感がありながらも隅々まで明るく綺麗。ちなみに天平風呂という浴室も文化財登録されている。つまり文化財のお風呂に入れる宿。

新井旅館の中庭の池
中庭の池

さて、取材の一環でこの荘厳さ漂う文化財の天平風呂を撮影させていただき、さらに貸切で入浴させてもらうことができた。あまりにも贅沢な体験。目が回りそうだった。

竹林に面した客室
修善寺の竹林が見える客室、ベランダには足湯

天平風呂は天井が高く、大きな、しかしすべらかな石が自己主張している。柱も太く堂々として…もうこのサイズの檜の丸太は今ではまず手に入らないのだそうだ。丸太は乾燥させると割れ目が入りやすいのだが、割れない部分を削りだしてこの太さのものをそろえるためには、とてつもないサイズの檜の木が必要だから。

天平風呂
天平風呂

浴室のすぐ隣は鯉の泳ぐ池で、池に面した壁の低い部分にはガラスがはめ込まれている。ここから時々泳ぐ鯉が見られる。芥川龍之介が水族館と評して面白がったのがこれのことだ。

泳ぐ鯉が見える風呂
泳ぐ鯉が風呂から見える
天平風呂

この池には見て楽しむ以外にちゃんとした役割がある。なんとそれは熱交換。以前は池越しの庭で湧く60度ほどの源泉を、パイプで池の中を通して温度を下げていたそうだ。今も天平風呂の窓からはなごりの緑の櫓が見える。

天平風呂と手ぬぐい

なごりというのは、今はもう修善寺温泉の源泉は集中管理で共通の源泉が配湯されているからだ。

桶で汲むタイプの洗い場
こういう洗い場が好き、わかる?
修善寺温泉

肝心のお湯はすっきりと無色透明。ほぼにおいはしない。行政の指導もあり清掃後は塩素消毒をせざるを得ないのだが、その後は源泉に掛け流されていくそうで、この時も特に消毒臭はしなかった。

天平風呂の湯口
天平風呂と石

こんなに歴史を感じる宿なのに、ブック喫茶やリモートワーク対応の試みなどいろいろ模索しているという。古いけれど新しい、今も進化途中にある老舗旅館。最近ではテレビドラマ「プロミス・シンデレラ」のロケ地になった。さすがに物語に登場する若いイケメン兄弟の経営者はいないかもしれないが…。

新井旅館の外観

近隣の子連れ遊び場情報

  • 修善寺虹の郷
  • 伊豆パラノラマパーク(丸太アスレチック広場あり)