子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 湯は適温、泉質は塩分濃度が高いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★☆☆☆☆ 脱衣所にベビーベッド有り、浴槽の温度管理がしっかりなされ浅めのところが多い
子連れ家族のための温泉ポイント
極楽湯和光店は、住所こそ埼玉の和光市だが位置的にはほとんど東京都練馬区との境に、フランチャイズチェーンのスーパー銭湯を経営する自然堂(じねんどう)が直営店としてオープンさせた温泉になる。
都市型の日帰り温泉施設として、集客効率を計算し尽くされた設計だ。
利用客が求めるであろうもの、露天風呂しかり、ジャグジーしかり、サウナしかり、休憩室や食事処、収容力のある駐車場、整体・エステ施設など全て揃っていて、かつ入浴料平日大人700円(訪問当時)というリーズナブルな料金で提供してくれる。
何もかも詰め込んだ施設の典型として、どうしても狭く混雑する上に個性のないパターン化した作りになるのは仕方ないが、立地条件の良さと、侮れない湯質で、オープンして半年だが飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
元々前日深夜のニュース番組テレビ東京系のワールドビジネスサテライトで、特集として東京の日帰り温泉が今、地方の温泉を駆逐する勢いで伸びており、その例として連日大賑わいを見せる極楽湯和光店の繁盛ぶりが放映されたのを見て、急遽行くことにしたものだ。
何も「混んでいる」と大々的に宣伝された直後に行くことも無いのだが、思い立ったが吉日、翌日早速出かけてみた。
極楽湯和光店の近くには、和光樹林公園と大泉中央公園という二つの公園がある。この二つは道を挟んで隣接しておりほとんど一つの公園と言ってよい。
二つの公園は我が家の子供たちのお気に入りでもあり、この日も公園で遊んでから極楽湯へ向かうことにした。
昼過ぎだったが駐車場にはまだ空きがあった。それでも日曜日ということもあり狭い館内は大混雑だ。
お腹が空いていたが食事処も満席だったため先にお風呂へ入ることにした。
浴室に入るとカルキ臭が鼻についたが、これはジェットバスなど水道水を湧かしたお湯によるもので、内湯に一つ、露天風呂に二つある天然温泉の浴槽では消毒臭はしなかった。
お湯の色は透明感のある薄い茶褐色で、薄めたコーヒーのような感じ。ウィスキーと甘酒を足したような穀物が発酵した甘い匂いだ。
肌触りはお湯の中で顕著にすべすべする。塩分が濃いのでよく温まり、乾くと肌がつっぱるような感じがする。
これだけの人数が入浴すればお湯が劣化するのは相当早いと思う。その中でこのレベルをキープしているのは立派だ。後はもう少し空いてさえいれば、気分的にものんびりできるし、お湯もコンディションが良くなるだろう。でももちろんそれは、無い物ねだりだ。
子供たちが気に入ったのは寝湯だった。
よくある体がどっぷり浸かる浅い浴槽ではなく、5センチぐらいの深さでお湯が常に出ている。だから仰向けになれば背中だけ、うつぶせならお腹しか温まらないが、ここに使われているお湯も温泉だった。
子供連れがとても多いが、意外にマナーは良い。落ち着きがないのは仕方ないが、潜ったり走り回ったりという目をしかめるような光景には出くわさずに済んだのが幸い。
ちなみにこちらの施設にはキッズコーナーなる一角があるが、前橋荻窪温泉あいのやまの湯のキッズコーナーとは違い、全然役に立たない。
公園から温泉に向かうとき、「行きたくない」と言っていた子供たちだが、入ると「気に入ったからまた来たい」に意見は変わったようだ。
近くてこの料金ならまたすぐに来られるよと答えて、我が家も極楽湯の戦略にすっかりしてやられているなと思った。
帰るときには駐車場はすっかり満車で、道に溢れた車は列をなして順番を待っていた。