子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★☆☆ 湯は適温、泉質は塩分濃度が高いので長湯に注意、傷にもしみる
- 設備★★★★★ 雰囲気★☆☆☆☆ 脱衣所にベビーベッド有り、館内にキッズコーナー有り
天然戸田温泉 彩香の湯 体験レポート
三寒四温という言葉が天気予報で聞かれるようになり、花粉症の人たちが本格的にマスクをつけ始める頃、関東の平野部には雪がちらついたりする。
真冬の間は紺碧の空が広がる東京や埼玉にとっては、春の訪れは大雪の知らせと前後することも多い。
この日も夜になってから降り出した雪で、朝には道も屋根も真っ白になっていた。
もしかして埼玉当たりでも雪見風呂が楽しめるかな、などと思いながら川越街道を車を走らせた。
天然戸田温泉彩香の湯は2003年の12月末にオープンした、まだ比較的新しい日帰り温泉だ。
住宅などの並ぶ町の中で、道向かいにはファミリーレストラン。最近埼玉には、こんな手軽な日帰り温泉が増えている。
訪ねたのが平日だったので館内は空いていた。
わらびやまとの湯や極楽湯和光店、真名井温泉真名井の湯といった千円未満で入れるお気軽スーパー銭湯温泉と、板橋温泉スパディオ、としまえん庭の湯といった大人のリラクゼーションスポット、ちょっと高級志向との、ちょうど中間にあたる客層をターゲットにしているようだ。
千円ちょうどという料金と、食事処のメニューなどからそう見て取れる。
浴室の作りはよくあるスーパー銭湯タイプ。
内湯では桧風呂だけが温泉浴槽になっている。残りの圧注浴の浴槽などは水道水を湧かしたものだ。
入ってみて思ったより薄いなという印象を得た。
ちょうど数日前に東京の高井戸温泉美しの湯に行って、そこと同じくらいの濃厚なお湯を期待していたからだ。
露天風呂はかなり大きな岩風呂に、三つ並んだ壺湯、5センチぐらいの浅さの寝湯などがある。
一応岩の上にうっすらと雪がかかっていたが、残念ながら雪見風呂と言うほどには残っていなかった。
露天風呂もがらがらで、ほとんど人がいなかったのだが、どういうわけか岩風呂の奥の一角だけ、狭いところにぎっしりと3、4人の入浴客が額をつきあわせていた。
近づいてみると、岩風呂の一部を仕切ってそこを源泉浴槽にしてあるのだった。
ぬるめの源泉が岩から注がれ、一部は仕切を乗り越えて隣の広い岩風呂に流れ込むようになっている。
この狭いスペースだけが掛け流しになっているので、そこにみんな集まってくるのだ。
自分も源泉浴槽に入ってそのまま動けなくなってしまった。
内湯と違いずっと濃さが感じられる。
お湯の色も濃い琥珀色で、苦みのある塩辛いお湯だ。
粉のような細かい湯の花がお湯の中全体に攪拌されたように均一に舞っている。
臭いがいい。少し薄めだが石油系のいい臭い。
しかしただでさえ狭いのに、ちょうど屋根の雪解け水が浴槽の中央にぽたりぽたりと落ちてきて、ますますくつろげる有効面積が少なくなっている。
そこへもってきて、お湯が39度とぬるめなのでみんな入ったら最後出ようとしない。
・・・このシチュエーション、どこかで見たような。
そう、蔵の湯東松山店だ。あそこも露天風呂に源泉掛け流し浴槽があり、ぬるめなので全員入ったら動かなくなっていた。
彩香の湯も蔵の湯東松山店も同じ株式会社玉岡設計による建築設計で、源泉浴槽の隣には大きな循環浴槽を置いている。
源泉浴槽から動こうとしない人々は、「ぬるすぎる」と言いながらも、熱い隣の浴槽に行くつもりはまるでないようだ。
彩香の湯の場合、浴槽の底から保温する蔵の湯東松山店と違い、単純にボイラーで加熱して源泉を供給しているが、それでも加熱を最小限にとどめているのは評価に値する。
12時に上がって食事処に移動した。
湯上がり少しべたつく感触があったが、乾いた後はとてもすべすべとしている。
注文を取りに来た施設の人に、週末は混みそうですねと話しかけたところ、「週末はすごいです。お風呂や休憩室はもちろん、ロッカーの数も足りなくなるので、フロントで入館をお待ちいただいています」とのこと。
今日が平日で本当に良かった。
近隣の子連れ遊び場情報
- 彩湖・道満グリーンパーク(豊富な遊具と、予約無しで使える広いバーベキュー広場がある公園)
- 秋ヶ瀬公園(さくら草が有名)