子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯は適温、泉質は特に問題ないが塩分が強いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
バスの車窓から見る緑がだんだん濃くなってくる。
池袋から電車で45分。そこからバスに乗り換えておよそ25分。都心から近いのか遠いのか。日帰り温泉に入るだけでなく、家族連れで一日遊ぼうと思うなら決して遠くないのかもしれない。
車で行くならもっと便利。圏央道も開通して鶴ヶ島ICからすぐだ。
サイボク天然温泉まきばの湯は、昭和21年創業の埼玉種畜牧場サイボクハムという豚肉加工品製造会社が、本店敷地内を掘削して得た源泉を用い日帰り温泉施設を建てたものだ。
この敷地には他にもサイボクガーデンというバーベキューやパークゴルフを楽しめる広場がある。
子供連れにはアスレチック遊具があり、子豚も飼っているトントンハウスなどもお勧め。
首都圏ではこのところ温泉のディスカウントが進み、都心部でも千円未満で入浴できる日帰り温泉が増えてきた。
そんな時期に郊外にありながら大人1,500円、子供1,000円の入館料(旧施設当時)で勝負したサイボク天然温泉まきばの湯は、ひときわ目立っていた。
温泉の品質で勝負という姿勢が見え隠れする。
その日は平日でかなり空いていたが、フロント前に受付の行列ができるよう、ベルトで場所を仕切ってあるのが印象的だった。週末などかなり人気があるのだろう。
流石に値段が高めなだけあって、脱衣所も内湯も露天風呂も広々として必要なものは全て揃っている。
特に露天風呂は広く、高低差があって迷路のようだ。
低いところに一番大きな岩風呂があり、その周囲に壷風呂や洞窟風の風呂が並び、石段を登ったひときわ高いところに源泉掛け流しの浴槽が二つほどある。
高いところのお風呂は、石段が滑って危ないという配慮から、4歳以下の子供は立入禁止となっている。裏を返せば大人だけがゆっくり入る風呂ということか。
一通りいろいろな浴槽を巡った後、八角の屋根のついた花鳥の湯でしばらくのんびりしていた。
サイボク天然温泉はいきなりがつんと来るパンチ系ではなく、じわじわと来るお湯。
貝の澄まし汁のような微妙な濁り湯で、臭いは出汁とオイルが混じったような感じ。源泉掛け流し浴槽ではいい感じの臭いだが、循環浴槽では古くなった出汁みたいな臭いになっている。
肌触りはお湯の中ではきしきしが強く、出て乾き始めるとすべすべと滑るような感じになり、さらに乾くとぺとぺとしてくる。
源泉掛け流し浴槽の湯口はぬるめの源泉がそのまま注がれ、温度調節のために浴槽内の壁から加熱した熱めの源泉が出ている。
全体的にはぬるめで泡付きもある。
湯の花は黄色っぽいものがちらほらと湯中に。
しょっちゅう来ているという地元の奥さんは、いつもなら朝一番はもっと汚れが少ないのに!!とコメント。普段はもっと透明度が高いのだそうで。これは汚れで湯の花じゃない!!と力説されるので、
一応湯の花でしょうと言っておいた。
でも普段より湯の花が多いということは今日の鮮度はいまいちだったのかもしれない。
よくできたお風呂だが、しばしば大音響で軍用機が行き来することだけが残念だ。地元の方は既に慣れっこのようだが、初めて来ると戸惑うほど興をそがれる。
まあこれはサイボクハムの責任ではないから仕方がない。
帰りには売店でサイボクハム特製ベーコンを買ってみた。これは加熱しなくてもそのまま食べられるとのこと。確かにそのままでも美味しかったが、軽く焙ると脂が滴ってなお美味しい。お試しあれ。