子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯は適温、泉質は特に問題ないが塩分が強いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
川越街道と新河岸川を動脈として古くは江戸の町との交易で栄えた城下町、埼玉県川越市。
今もJR川越線と東武東上線の川越駅、西武新宿線の本川越駅あたりに広がる一帯は小江戸と呼ばれ、当時の古い町並みや蔵などが残る観光地としても知られている。
小江戸はつかり温泉は、埼玉を中心に展開するスーパー銭湯チェーンの蔵の湯が経営する天然温泉施設のひとつだ。
ふじみ野市にかなり近い立地であるが、川越市内にあるため川越市の代名詞である小江戸の名を冠しているようだ。
大型トラックが頻繁に往来する国道254号線こと現在の川越街道に面して、斜め向かいには城北埼玉という無骨な私立男子校が建っている立地は、少々小江戸の名とはそぐわない。
入口にも露天風呂にも効果的に竹を配した施設で、和風を意識した調和のとれたデザインだ。
ただ、埼玉には少々ありがちな雰囲気とも言える。
正直、清河寺温泉、むさし野温泉
など、割に近年できた日帰り温泉にはやたらと竹を植えているところが少なくないからだ。
そんなわけで、なんとなく雰囲気は悪くないが目新しさを感じないまま浴室へ進んだ。
内風呂は壁がテラコッタ色で、これまた天然戸田温泉を思い出した。
ここならではという強い個性がちょっとほしいところ。
そうそう、小江戸はつかり温泉にはざぶ~んの湯とさらさらの湯という二種類の露天風呂があるのだった。
ざぶ~んの湯というのは大樽をひっくり返して滝のように湯を落とすしくみだそうで、こちらを見れば小江戸はつかり温泉ならではと感心したかもしれない。
きっと子供なら大喜び・・・もしかしたら怖がる子もいるかも。
さて、ざぶ~んの湯は偶数日が女湯で、私が小江戸はつかり温泉を訪ねた日はたまたま奇数日だったためさらさらの湯に入ることとなった。
ちなみにさらさらの湯というのは露天風呂の塀に水を伝わせて、それを下で受けた後、露天風呂の敷地内を小川のように回遊させるしくみとなっている。
露天風呂だけでなく内風呂の二つの浴槽にも掛け流しの源泉を張っているのはなかなか太っ腹だ。
内湯、露天風呂、ともに循環無し、加水無し、加温あり、消毒ありの温泉水だ。
両方にぬる湯とあつ湯(適温湯)の二槽があって、露天風呂のあつ湯は、ぬる湯のあふれた分が落ちて行くようになっていた。
全部を入り比べてみたが、露天風呂のぬる湯が一番お湯が良いように思われた。
日に透けると濃黄色透明のコハク色で、湯の花はごくわずか。すべるとも引っかかるともつかない感触で、強いパワーよりも意外に優しく感じるお湯だ。
泡付きは少々。臭いは昆布出汁と油臭がほのかにするぐらいで、たまにオキシドールのような臭いも。
ぬる湯槽は他の浴槽より一段高い場所にあり、浴槽は円形で八角の屋根が掛かっている。
円形の浴槽にはぐるりと座れる段差がついていて、そこに座ると中央の湯口を囲んで長湯ができる。いやもう、えらく長湯が。ここのお湯は1時間でも2時間でも入っていられそうだ。
湯口は凝っているんだかいないんだか。石二枚で挟まれたパイプ状のものがつきだしている。
浴後は塩分の割にそれほど温まっていないような気がしたが、べたついた感触はしばらくおいて何かをコーティングしたようなすべすべ感に変わった。
休憩室で休んで昼食を取ったが、喫煙席と禁煙席がガラスで完全に仕切られているのがうれしい。
長く入れるお湯だなんてゆっくり入って後悔したのは1時間後。
とてつもなく疲れてだるくなってしまった。
力のある塩泉に入った後は必ずこうなる。明日以降は逆にすっきり体が軽くなるのは判っているが、まだまだ家までは遠い。
重い手足を抱えてどうやって帰ろうか。