子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 温度は適温。塩泉なので長湯に注意。
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 浴室が薄暗く大きな音がしているので小さい子は怖がるかも
子連れ家族のための温泉ポイント
筋湯温泉の名は、筋肉をほぐす湯から来ている。
だから筋湯温泉と言えば打たせ湯であり、温泉街の中ほどにその打たせ湯の神髄とも言える大浴場が建っている。
二度の火災の後、復興して作られた温泉街だが、その頃から時間を止めたように、今も昭和初期の雰囲気を残している。
南側から筋湯温泉の方角に車を進めると、まず一軒「大高原」という宿があって、それから細い道に入りガードレールが赤錆びだらけの小さな橋を渡って筋湯温泉公共駐車場と札の立っている空き地に来たのだが、駐車場を見た時に、これって本当に温泉街の公共駐車場?という不安がひしひしと押し寄せてきたのだった。
さっきまで雨が降っていた路面はぬれて、土の駐車場も水たまりだらけだ。
他に一台車が停まっていたからいいものの、そうでなかったら自分たちのレンタカーを止めるのも躊躇したほどだ。
そこからは下り坂だった。
車は駐車場に置いて、少し歩くとすぐに右手に神社の細い石段が見通しの悪い山の上へ続いている。
道路の方は左にカーブして、眼下に古びた温泉街が現れた。
天気が悪いせいで、益々鄙びて見える。
共同浴場の薬師湯と岩ん湯の間の道を進めばすぐにうたせ湯。
うたせ湯の建物は駐車場からここまで歩いてくる間に見た旅館などの雰囲気からすると、随分と立派で想像していたより大きかった。
入浴料は自販機でメダルを購入して払うシステム。でも機械ではなく親父さんが受付にいる。
ロッカーが並ぶ廊下が細くて狭い。
だけど浴室のドアを開けたら・・・
ドドドドドドドーッ。
凄い音。
割れんばかりの迫力。
大きな浴室の真正面にいくつも並んだ高いところから落とす打たせ湯。その飛沫と湯気で浴室は霞んでいる。
顔にミストがばしばしと当たってくる感じ。
度肝を抜かれた。
こんな浴室は初めてだよ。
日本一の打たせ湯って言うから、すごく高いところから落としているとか、大量のお湯を落としているとか、そんな特徴的な打たせ湯がひとつあるのをイメージしていたけど全然違った。
打たせ湯がかなり大きな浴槽の一番奥に一列に並んで大音響を奏でている。
しかも浴室が相当広く、しかも薄暗いので、ぼんやりした中にその打たせ湯が並んでいる所が現実感を喪失している。
お湯はわずかに硫黄のようなにおいもするようなしないような。まあほとんどにおわない。
くせのない柔らかい感触で肌はすべすべする。
せっかくなので肩こり症の私は打たせ湯に打たれていくことにしたが、肩幅が合わない。
打たせ湯の間隔が広すぎる。
離れて見ると一番端が一番幅が狭かったので、一番端で撃たせ湯を体験した。
これはほぼジャストで肩に落ちるけど、この広い浴室でなんで隅っこでお湯に打たれているんだと思うとちょっと切ない気持ちになる。
とてもよくあたたまるお湯なので長くは入っていられなかった。打たせ湯だけならもう少し座っていられる。
浴槽から打たせ湯の場所に移動して肩の位置を合わせていると、次の入浴客が入ってきた。
そう、今までは誰もいなかったのだ。
でも他のお客さんが来ても浴室は薄暗いし霞んでいるしやたらと広いので、一人で独占している時とあまり変わらなかった。