子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ ぬる湯は温度は適温
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドは無いが代わりに使える大きなベンチあり
子連れ家族のための温泉ポイント
まず2018年の初めて行って駅前高等温泉の「ぬる湯」に入った話、そして後半に2019年に再訪して「あつ湯」に入った話。
やっぱり別府は特別!ずっとそう思っていた。別府の温泉を巡ったうえで「特別」って言っているわけではなく、行く前の心境。
つまりねぇ、別府に行くなら気合いを入れなくちゃと思っていた。例えば夫と二人、熊本と大分を回る3泊4日の旅行のうちで別府に1泊して、ちょこちょこと3~4湯入るなんてのは許されない。もし別府に行くならもう1週間は別府に腰を落ち着けて、来る日も来る日も徒歩やバスで温泉を何軒もハシゴしなきゃいけないだろう…そんな風に思っていた。
逆に、好きなものは最後に残すタイプの私としては、別府は食べ終わった後のデザートのようなもの。途中でちょいちょいとつまみ食いするなんてもってのほか。
…なーんて思っていたにも関わらず、結局我慢しきれずに福岡に来た際に、ついつい別府で2泊の計画を入れてしまった。しかも2泊目は別府市内だけど温泉施設ですらない(ちなみにわけあって民泊)。
そして別府に来て最初に入ったのがここ、駅前高等温泉。福岡からの高速バスから海沿いの国道で下ろされて、そこから別府駅まで坂道を登る途中でたまたま目に付いたから。
こぢんまりとして洋風ともロマンティックとも言い切れないレトロ感のある外観は、非常に人目を引く。入り口前には手湯もある。看板に書かれた文言は「別府名所 町営駅前高等温泉」。町営なんだ、この温泉。しかも宿泊もできるらしい。
館内に入ると受付のお姉さんが、あつ湯とぬる湯とあるけどどちらを選ぶ?と聞いてきた。うーん…別府初心者だし、ここは「ぬる湯」いっとくか。
今は他にお客さんは誰もいないよと聞いて、ほくほくと浴室へ。
変色したコインロッカーと脱衣籠があるだけのシンプルな脱衣所。浴室へはこの脱衣所から数段の階段を下りて入るようになっている。一辺をまるめたタイル張りの浴槽は、いかにも共同浴場らしい雰囲気。やっほー、別府温泉初風呂だぁい!感激っ!
お湯はごく適温。ここに入ってみて初めて気づいたが、下りてきた階段の下に何故かもう一つ浴槽がある。小さな洞窟風呂のようなこちらは、底が木製でちょっとぬるめ。
わずかに濁りのある温泉で、甘いにおいがして肌触りはきしつく。温泉のお湯がかかるせいで、タイルや壁の石の部分が淡い茶色に色づいているんだけど、これがなんだかテラコッタみたいな色合いで、古くレトロな浴室が妙にお洒落に見えてくるから不思議だ。
ここから2019年の話。この時は夫婦で別府に来て、まだ駅前高等温泉に来たことが無かった夫の要望で寄った。彼は別府八十八湯のスタンプがほしかったし、私はまだ入っていなかったあつ湯の方に入ってみたかった。
あつ湯は楕円形の浴槽がひとつ。ステンドグラス調の壁がレトロでいい味を出している。脱衣所から浴槽までは階段を降りる。
そしてあつ湯というだけあって本当に熱い。そして先に聞いていたとおり、あつ湯は加水できない。水を出すところがないのだ。しょうがないので何度も掛け湯してから覚悟を決めてはいることにした。
しかしどこからこの熱いお湯は出ているのだろう。湯口からは何も出ていなそう。探してみたら湯壺から湯中に流れ込んでいる。ちょうど私はそれと気づかず一番熱いあたりに入っていたわけだ。
沢水のにおいにわずかに木材臭。少し滑る肌触り。そしてもう一度言うけど熱い。