子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★☆☆ 湯温は気持ち熱め、塩分が濃いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にベビーベッド有り、大広間休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
越後の緑濃い夏の里山。車窓からは蝉の声。走っている道は国道353号線。
以前、冬に立ち寄った清津峡小出温泉のある方角だ。
時折小さな棚田がある。
この辺りでは、平野部ではなく不便な山あいでも稲作をしている。
そしてこの道沿いにもいくつも温泉、鉱泉、湯治宿の看板が出ている。
今日立ち寄る予定の温泉はこの道が信濃川にぶつかる少し手前、ゆくら妻有というところだ。
ここは中里地域の交流促進施設。一度火災で焼失したが、この4月に再建されたばかり。
川の向こうにそれらしい建物が見えてきた。
なかなか判りやすい。
三角屋根の施設で、源泉直送のキャッチコピー。
入り口を入ると一瞬油臭を感じたが、施設が新しいのですぐに建物の木の香りに変わった。
待ち合わせのための休憩室を確認して、真っ直ぐ浴室の暖簾を潜る。
あちらこちらに洗ってから入りましょうとか浴室での歯磨きは禁止ですとか張り紙があるが、ここの変わっているところは、それらが施設からのお願いではなく「お客様からお客様へのお願い」とされているところだ。
他のお客様が気持ちよく入れるように、お客様である自分も気をつけようというコンセプトはなかなか良い。
昼時前、まあまあの混雑。
ちゃんと脱衣所にはベビーベッドなどもある。
ガラスのドアを開けて内湯、そして奥に小さめの露天風呂が見える。
松之山辺りの温泉では、だいたい施設の中にも灯油のようなすごい臭いが漂っているので、ここもそうかと思ったが、脱衣所まではあまり臭わなかった。
それが、浴室にはつんと立ちこめている。
力強くクリアなオイルの臭い。
幼稚園の娘が「ラベンダーの匂いみたい」だと言った。
なるほど、言われてみれば。
透明感のある黄緑色のお湯は少し熱めで子供たちは入るのをためらった。
浴槽内の温度ではなく湯口の温度だと明記された温度表示計は46.5度。
露天風呂の方は50度を超えている。
「気持ちいいよ、入っておいでよ」
飲泉不可となっているけど味見してみるとうわっ、松之山温泉の凌雲閣を思い出す凄い味。
塩味の強すぎるチーズみたい。
新潟の塩分の多いお湯はどっかりと体力を消耗する。
出たり入ったりを繰り返しているうちにぐったりと疲れてしまった。
露天風呂の湯口のそばに水道のひねる部分だけがついている。ここにも「他のお客様のために加水は必要量に」といった張り紙があるが、ひねるといったいどこから冷水が出るのだろう??
他のお客さんの姿が無くなってからこっそり試してみた。
源泉の出る湯口の水量がその分増えた。
なるほど、加水するときはミックスして出て来るんだ。
塀が高く、露天風呂からの景色は特に何が見えるでも無いけれど、吹きすぎていく風がいい気持ち。
露天風呂から内湯側のガラスの仕切を見ると、そこに夏の青空と入道雲が写っていた。