子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★☆☆ 湯温は少し熱め、
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ ベビーベッドなどは無し、休憩室はある
子連れ家族のための温泉ポイント
群馬と新潟の県境から端を発した信濃川の支流清津川は、三国街道に沿って北へ向かう。
かぐら・三俣で街道は東へ折れ峠を越えて行くが、川はそのまま北上し、蛇行しながら深い渓谷を穿った。
これが日本三大峡谷の一つ、清津峡だ。
深いV字の大渓谷は、以前は絶壁を伝う遊歩道があったが、危険のため閉鎖され、今は安全なトンネルを通って鑑賞できるようになっている。
このトンネルの入り口に小さな温泉街がある。
清津峡小出温泉。
谷街道117号線方面から清津川に沿って353号線に入り、清津峡トンネルを抜けて万年橋を渡ると、やおら雪道は細く心許なくなってくる。
右手はそそり立つ崖、左手は切り立つ渓谷だ。
すれ違う車の影も無いのが幸い。とても狭い。
本当にこの先に温泉地なんてあるのだろうかと思った頃、道の終点に到着した。
手持ちの地図には唯一、清津峡小出温泉古屋旅館の名が記されていたが、残念ながらこの旅館は既に廃業し、簡易保険融資施設の日帰り温泉となっている。
名前は湯処よーへり。
よーへりというのはこの辺りの方言で「お湯に入りに行く」ことを言うのだそうだ。「よく来たなぁ、さあお入り」と言われているような気がする。
中もどう見ても旅館の玄関だったが、ロビーから見えるところに休憩室も備えてあった。休憩室の横に上へ上る階段があるのだが、ロープが張られ二階は立入禁止になっている。
お風呂は階下にあり、男湯の暖簾には「ぶらりぶらり ぼっちゃん」女湯の暖簾には「ぷりんぷりん ちゃっぽん」の文字。何だかユーモラス。
よーへりは渓谷沿いに建っているので、お風呂場からの眺めが期待できるのではないかと思ったが、残念ながらほとんど見えなかった。
露天風呂はなく内湯だけ。
それも渓谷側に窓はあるのだが、屋根から落ちる雪から窓を守るため簀の子状に板を打ち付けてあり、さらに女湯のガラスは下半分が曇りガラスになっていた。
これじゃあせっかくの雪景色も台無し。ちょっと残念。
浴槽は御影石の縁にタイル張り。そんなに広くはない。
シャワーとカランはあるがシャンプー、石鹸の備え付けは無い。必要な人は受付で購入するようになっている。
料金が大人300円と安いので、この方法はいいと思う。
最初は熱く感じるが、入ればそれほどではない。
源泉掛け流しとうたっているお湯はなかなか個性的。
強いゆで卵臭につんとアンモニアの臭いがプラス。
色は透明で、塩を掛けたゆで卵に酢を垂らしたような酸味が少し。
お湯の中でははっきりしたすべすべ感があり、湯上がりはオイリーなつるつる感もあった。美肌系。
実は最初はよーへりではなく、湯元苗場館で立ち寄り入浴するつもりでいた。
それが、苗場館は冬季は除雪に温泉を使うため休業中と断られてしまい、よーへりへ移動した。
そのよーへりも、1月半ばからは春まで休業してしまう。雪国の冬は長いのだ。
清津峡はまた、違う季節に再訪しよう。そんな風に思って渓谷を後にした。