子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 湯温は適温、泉質は塩分が濃いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★★ 露天風呂はまごうことなき絶景
子連れ家族のための温泉ポイント
2005年4月1日からここの住所は新潟県十日町市蓬平になってしまった。つい先月、私が訪ねたときはまだ新潟県東頸城郡松代町蓬平だった。松代町という名称が無くなってしまったのは寂しい限り。
旧松代町は日本の原風景の一つ棚田と、日本有数の豪雪地帯として知られていた。
例えば犬伏地区には国の重要文化財に指定されている松芋神社があり、七つ参りという行事がある。この七つ参りというのは松代の男子がかぞえで七歳になったとき、ここまで健康に育ったことを感謝してお参りするというもの。昔は七つ参りで男の子は刀をもらったそうだが、今のご時世はおもちゃを買ってもらうのがお約束らしい。
芝峠温泉ははついこの間までレストビレッジ峰という名で宿泊施設と日帰り温泉を営業していたが、去年の6月から今年の始めまでリニューアル工事を行っており、その間日帰り入浴も休止していた。
それがちょうど3月9日から新規オープン、名称もまつだい芝峠温泉雲海と変わったばかりだ。
元々、雲海が見える宿として売っていた温泉だ。眺望抜群の立地条件。但し露天風呂は無く、温泉も循環で特に良いという評判を聞かなかった。それがこのたび掘削して新源泉を得た上でのリニューアルと露天風呂新設とのこと。期待して出かけてみた。
途中で道を間違えた。あまりにも積もった雪の壁が高くて、曲がり角の見通しが悪すぎるのだ。
坂道を上り詰めて芝峠についた。駐車場の上の見晴らしの良さそうな場所に「雲海」は建っていた。
入り口入ると、もういきなり日帰り用と宿泊用に別れている。
ちらりと宿泊者用のロビーを覗き込むと、凄い凄い、大きなガラス一面に雪を被って連なる山々。
内湯のお湯は無色透明。
入ったとたん、ああ、のっぺらぼう湯だなと思った。
色の問題じゃなくて、温泉らしさがない。臭いもカルキ臭。入って嬉しいと思えない温泉の典型だ。
すぐに上がって露天風呂に行くことにした。
外に出てすぐ右手に寝湯があった。ジャグジーのボタンが付いていて、止まったら手動でオンするようになっている。
その先に露天風呂。
おお、絶景。
こりゃいいや。
湯船から遮ることなく、南方にそびえる二千メートル級の山々が見渡せる。
ひときわ白いのはランドマーク、苗場山。谷川岳もよく見える。
灰色の空の下、白い山の雪景色と黒々とした木立。
昔話の民話を版画にした絵本のように、どこか懐かしく厳しい風景だった。
露天風呂のお湯は緑色だった。
今回リニューアルオープンにあたって、今までの芝峠源泉に加えて新規掘削された芝峠2号源泉がこちらに引かれているはずだ。
元々ある20度台の強塩泉源泉と比較して、2号源泉は少し成分は薄いはずだが40数度と温度には恵まれている。
いい感じの油臭もする。松之山ほど癖がないが、ちょっと焦げた感じの臭いだ。
きしつく感じはあまりなく、ほんのわずかすべすべする。
このあたりに湧く温泉は、油の臭いが強く塩分の濃いお湯が多い。
子供たちも露天風呂へ移ってきた。
「すごぉい」
「絵みたい」
絵みたいっていう表現が面白い。
転落防止にガラスが張ってある。これが展望を遮る衝立ではなくガラスというのが嬉しい。
子供たち三人並んで外の景色を見ている。
これはまさに天上の露天風呂。
まつだい芝峠温泉 雲海は後日取材して記事にしています。よろしければあわせてご覧ください。⇒新潟「まつだい芝峠温泉 雲海」は家族で行きたい絶景露天風呂