妙高温泉 関川共同浴場大湯

妙高のスキー場帰りに便利な共同浴場 地元の人の利用が多い

  • 所在地 新潟県妙高市妙高680-12 TEL 0255-86-2906
  • 泉質 単純硫黄泉
  • 設備等 男女別内湯
  • 利用料金 大人250円
  • 利用時間 13時~20時半
  • 定休日 月曜日
  • ※利用料金の情報は2015年12月24日に掲示板で、は組さまから頂きました。どうもありがとうございました。
[2007年3月のデータ 入浴料は2015年12月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★☆☆☆ 泉質★★★★★  温度は少し熱め
  • 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆  脱衣所にベビーベッドはない、石鹸・シャンプーも持参した方が良い

妙高温泉 関川共同浴場大湯 体験レポート

妙高温泉 関川共同浴場大湯の外観

 妙高温泉というのは、歓楽街もある温泉として栄えた時代もあるのだが、スキー場からもICからも駅からも至便というには微妙な距離があるためか、今はすっかり地味な印象だ。

 1911年に赤倉温泉からの分湯でスタートし、その10年後には妙高山の中腹にある南地獄谷からはるばる10キロ近くの距離を地中のパイプで引いてくるようになった。

 幸い源泉温度が70度以上と高いので、麓の妙高温泉まで届く間に入浴に適した温度となり、加熱も加水もせずに済む。

 国道18号線の旧道とおぼしい道を関川の交差点で妙高高原駅方面に向けて曲がったが、思いのほか細い道だ。
 何となく温泉街とか駅前へ向かう道とかそんな雰囲気ではなく、田舎の住宅街のような感じだ。
 道は真っ直ぐではなくカーブしていて、右手に人工の溜め池のようなものが見えた。
 共同浴場はこの当たりだと思うのだがどこに車を停めてよいものか判らない。
 溜め池を背にして細い路地を覗き込むと、いきなり大湯の看板が見えた。ああ、どうやらあれが共同浴場らしい。

天然掛け流し温泉の看板

 思っていたほど小さな建物ではなかったが、路地にとけ込むように建っているので知らない人はなかなか見つけられないかもしれない。
 天然かけ流し温泉大湯と書かれた立派な木の看板の下を潜って中に入ると、すぐに受付があった。おじさんが一人で番をしている。
 「えーと・・・入浴券を買うんですね。自動販売機は・・・」
 「後ろですよ」
 振り向くと確かに後ろに自販機があった。年齢や共同体加入者であるか否かで細かく料金設定が別れている。
 といっても一般の通りすがり客でも一人200円。申し訳なく思うくらいに安い。

 男湯が手前、女湯が奥。
 入り口にどうぞ御ゆっくりと書かれた板が貼ってあって思わず顔がほころぶ。
 ドアの磨りガラス越しにいくつも人影が動いているのが見えたので、どうやら中は混んでいるようだ。
 「失礼しまーす」
 脱衣所は思った通りおばあちゃんたちでいっぱいだった。
 私が隅でぬぎ始めると、比較的若い一人が近づいてきて脱衣棚の一番下を指した。
 「あそこに石鹸があるから使ってね」
 棚の下をのぞくとそれぞれデザインの違う石鹸箱が二つほど入っていた。
 「ありがとうございます」
 つい今し方赤倉で温泉に入ってしっかり洗ってきたばかりだから、掛け湯で入ればいいやと自分では思っていたが、確かにそんなことは他の人には判らない。同浴者に不快感を抱かせないためにももう一度しっかり洗おうと、教えて貰った石鹸箱を一つ持って浴室に入ることにした。

妙高温泉 関川共同浴場大湯の入り口

 中は意外と空いていて、入浴している人はほんの1人だった。
 浴槽は長方形の角を削った変形多角形。
 お湯は少し熱め。ほのかに硫黄の臭い。でも湯口が桧でできているのでお風呂の中ではむしろそちらの臭いの方が強く感じられる。
 きしきしする肌触りで、お湯そのものはさらりとしている。
 無色透明ではなくほのかに濁りがある。
 あまり個性的なお湯ではないけれど、何となく落ち着く。

 上がると、「もう上がったのかね。こちらが着替えている間に入って出てくるなんて若い人は早いねぇ」
 「こっちは着る物がいっぱいあるから時間が掛かる」
 「年をとると何をするでも手足が効かなくなって時間がかかって」と、次々と話しかけられる。

 何だかこんな雰囲気が好きで共同浴場を見つけると寄ってみたくなるのかもしれない。
 ここは特に、浴槽や入浴人数と比較して湯口から出ているお湯の量が少な目なので、鮮度の良さはあまり感じられないが、このフレンドリーにあれやこれや世話を焼いてくれる地元の人たちのことが強く印象に残った。

 使わせて貰った石鹸を元の場所に返しておくと、後から入ってきた人がまたそれを手にして浴室へ消えていった。誰か個人の持ち物ではなく、みんなで利用している石鹸なのだった。
 二つある石鹸箱のデザインが違っていることからも、これは元々備え付けの石鹸ではなく誰彼となく自宅から持ち寄ったものなのだろう。
 小さな共同体の良いところがそのまま残っている。そんな感じだった。

 体も心もほかほかと温まって外に出ると、夫が共同浴場のすぐ近くに車を停めて待っていてくれた。
 乗り込もうとすると、さっき脱衣所で話をしたおばちゃんの一人が横を通った。
 車のナンバーをしげしげと見ている。
 「おやまぁ、ずいぶん遠くから来たんだね」と驚いた顔。
 「はい、東京から」
 「それじゃお気をつけて」
 おばちゃんが行ってしまってから、夫は「何を話していたの?」と聞いてきた。
 「うん、お風呂で会った人。遠くから来たから吃驚したって」
 こんな風な温泉が近くにあったらいいな。
 スキー場に近いあの赤倉ですら時代から取り残されつつある今、妙高温泉という場所自体、既にかなり寂れているのではないかと思うが、あの共同浴場はこのままであってほしい。
 湯上がりの肌からは何だか甘いいい匂い。

近隣の子連れ遊び場情報

  • 赤倉温泉スキー場(特に銀嶺ゲレンデには初級者コースや遊具などが充実している 赤倉温泉子連れスキーに遊んだ記録有り)
  • 赤倉温泉足湯公園(足湯は無料、冬季休業)
  • 妙高高原ビジターセンター