入之波温泉 山鳩湯

インパクト大の奥吉野の秘湯

  • 所在地 奈良県吉野郡川上村入之波391 TEL 0746-54-0262
  • 泉質 ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉 源泉名:入之波温泉中村源泉
  • 日帰り入浴受付時間 10:00~17:00(最終受付16:00)
  • 料金 大人900円、小学生以下500円
  • 設備等 男女別内湯、男女別露天風呂、食事処など
  • 定休日 4月~10月末まで水曜日、11月~3月末まで火・水曜日(祭日、連休、お盆、正月は営業)
  • 公式サイトURL https://yamabatoyu.co.jp/
[2022年8月のデータ、ただし日帰り温泉受付時間、入浴料等は2023年11月のデータ]

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  • 温度★★★★★ 泉質★★★★☆   トゲトゲした所があるので注意
  • 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッドはない

入之波温泉 山鳩湯 体験レポート

入之波温泉 山鳩湯

2022年の奈良県さんは東京都に優しかった。他の都道府県が東京都をガン無視して周辺の神奈川県だの埼玉県だのを優遇したのに対し、奈良県さんは都民にも割引を提示してくれた。

入之波温泉 山鳩湯の客室
泊まった客室

それで急遽奈良県旅行を企てたのだが、「奈良県行くなら入之波(しおのは)温泉に泊まりたい」という私に対し、夫曰く「入之波温泉の一軒宿、山鳩湯はキャンペーン対象外だよ」と。

入之波温泉 山鳩湯の食堂
食堂

そ、それはッ…

入之波温泉山鳩湯の夕食の鴨鍋
夕食、鴨鍋が美味しかった

でも行く!私は入之波温泉 山鳩湯に行きたいんだ!ということで、5泊の奈良県旅行のうち1泊はキャンペーン割引が効かない山鳩湯に泊まることにした。最初は釈然としないふうの夫だったが、実際に山鳩湯に泊まったら掌を返してくれた。「こりゃあ凄い!来た甲斐があった」って。

入之波温泉の温泉ご飯
朝食のご飯が黄色いのは、温泉を使ってお米を炊くから

もともと入之波温泉は平安時代開湯の歴史を持ち、遠い昔はもっと宿も多かったようなのだが、昭和48年に完成した大迫ダムに全て沈んでしまった。山鳩湯が新たにボーリングして自噴する源泉を掘り当て、現在に至る。

入之波温泉の駐車場
駐車場から階段を下りて玄関

宿は吉野川のダム湖のほとりにあり、駐車場から階段を下りていく。館内に入ってから浴室まではさらに階段を下りていく。

浴室に続く階段
浴室へはさらに階段を下りていく

最初に驚くのは、どこまでが浴槽本体なのか、どこまでが析出物なのか、まるでわからないゴールドベージュの浴槽。カルシウム成分がサンゴのように固まり、触れるともろくポロリと取れる部分もある。まるで柔らかい鍾乳石のよう。

入之波温泉山鳩湯の内湯
内湯
ダム湖と橋
窓からはダム湖と橋が見える

お湯もまた析出物と同じゴールドベージュ。表面にカルシウムの粉が浮いてマーブル柄の文様を形作っている。これは朝風呂に来た時にはほぼ膜になっていた。シャリシャリと崩して入るのがもったいないほど。

入之波温泉の膜
朝に表面に浮いた膜

お湯はぬるいが入る時は温かく感じる。実際の温度は夕方時点で内湯39.1度、露天38度だった。朝には内湯が36.6度とさらに体温程度まで下がっていた。

入之波温泉山鳩湯の露天風呂
露天風呂はまるでお花の形

入って最初にふわっと何かに包まれる。炭酸のアワアワな感じはしないが、それでも少し湯口近くでは泡が肌に付くのがわかる。最初にふわっと来たあとは、どちらかというとキシキシした肌触りになる。

浴槽の縁の析出物
浴槽の縁の析出物が凄い

浴槽の底が析出物で痛い。なんなら浴槽内の壁面も背中を付けるとトゲトゲして痛い。そもそも内湯も露天風呂も浴槽自体が析出物で覆われていて、元の材質や形がさっぱりわからなくなっている。露天風呂はケヤキの切り株で作られているそうだが、もう表面にはその片鱗も残されていない。

ゴールドベージュのお湯と浴槽の析出物

お湯に近い所は蛇のうろこ状、その上はつぶつぶ、さらにその上は釉を掛けて焼いたみたいになっている。そして露天風呂からすぐ下を見下ろすと、黄金色の川がダム湖に向けてドロリと流れつつ固まっているのがわかる。とんでもない温泉だ。

露天風呂の浴槽
露天風呂の浴槽はもはや何の材質かわからない
入之波温泉の廃湯
下を見下ろすと、ダム湖に流れ込む入之波温泉の廃湯

甘いにおい。味も甘い。弱いじゅわじゅわ感があり、ほんの少しの金属っぽさ。そして塩味。

入之波温泉の色
本来のお湯はこんな色

ぬるいので、必然的に長湯になるが、入っていると高濃度炭酸泉に入った時のように、体がぼわっと温まる。熱いお湯に入った時とは違う、じわじわボワーッと中から温まる。


浴槽の析出物やお湯の表面の湯の花が模様のよう

内湯の廃湯する口が、そのまま露天風呂の湯口になっている。露天風呂からはダム湖と橋が見えてなかなか景色もいい。切り株がお花のような形になっているのもユニーク。

露天風呂の湯口
内湯の溢れたお湯が露天風呂の湯口から流れ込む

湯上がりは肌も浴槽のようにコーティングされそうだと思った。肌は乾いた後はつるつるを通り越して、ギシギシしっとりといつまでもしている。本当にあまりにも凄い温泉なので、遠方でもこれはまたわざわざ来たくなるやつだ。

入之波温泉露天風呂からの眺め

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