子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ お湯は適温
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
特に日が暮れて灯りが灯りだした頃に映える温泉街の一つが奈良県の洞川(どろがわ)温泉。通りに沿って時代がかった木造建築の宿が立ち並び、凝った意匠の屋根や玄関目を奪われつつ浴衣姿でそぞろ歩けば、タイムスリップしたような気分さえうかがえる。
しかし温泉としての歴史は浅く、はっきり言ってしまうと温泉そのものも温度の低い単純泉を循環使用している宿がほとんどだと思われる。
つまりここは温泉地というのは後付けで、もともとは大峯山で修業をする行者さんたちの宿場として栄えてきたところなのだ。
そう思えば、宿の縁側にぶら下がる講と書かれた提灯や、やたらと多い陀羅尼助(だらにすけ)を販売する店などに歴史を感じざるを得ない。
そんな洞川温泉で最も古い宿というのが、ここ、泊まった「花屋徳兵衛」だった。
だから温泉街でもひときわ目立つ場所に目立つ建物でもある。2階から通りを見下ろすと、なんだか江戸時代の旅人になって、時代劇に出てくる町並みを見下ろしているような気分にさえなる(自動車が見える?気のせい)。
「花屋徳兵衛」は、外観は当時の趣を活かしたまま、館内はとても綺麗にリフォームされている。お部屋も談話室もセンス良く快適。食事も良かった。
お風呂は男女別の浴室を昼と夜で入れ替える。このほかに貸切風呂があるが、こちらは利用しなかった。
浴室はどことなくスタイリッシュな雰囲気の「前鬼の湯」と、坪庭の見える半露天風呂の「後鬼の湯」。洞川温泉そのものが、役行者の高弟「後鬼」の子孫の里とも呼ばれているのが由来だ。
で、お湯に対するコメントだが………
………
…特にない。無色透明で、温泉…まあ温泉かな。うん。
でもそんなのは関係ないんだ。洞川温泉の価値はそんなところにはない。私はこの温泉地がとても楽しかったし、通りにも宿にも感激した。それでいいよね?おもちゃみたいなモノレールで登る近くの観光地「面不動鍾乳洞」もめちゃめちゃ面白かったよ。