子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 濁り湯は深さがわかりにくいので注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ りざれの脱衣所にベビーベッドあり、貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
これをまとめている2021年8月現在、雲仙は豪雨による土砂災害で被災している。多くの宿の源泉が集まっているあたりも崩れて、しばらく休業する宿も多い。こちらのゆやど雲仙新湯は近日中に営業を再開するということで、こんな時期ではあるけれど、およそ10ヵ月前を振り返ってレポートしたい。
観光再開後はまた以前のような賑わいが取り戻せることを願って。
さて、そもそもこの時の九州北部旅行はもともと「雲仙温泉に行く」ことが1つの目的だった。以前、雲仙のある小浜市に娘二人を連れて来た時は、雲仙まで上る時間が無くて小浜温泉止まりだったから。
しかしこの時もコロナ禍であり多くの宿が立ち寄りを休止し、日帰り温泉も営業時間を短縮していたため、結果的にははるばる雲仙まで行ったにも関わらず、入浴できたのは泊まった「ゆやど雲仙新湯」だけだった。だから非常に消化不良。またいずれゆっくり訪れたい。
そして「ゆやど雲仙新湯」についてはトラベルjpの記事に詳しく書いたため、ここではまた温泉に絞ってレポートしたい。
この宿の温泉の最大の特徴は源泉を4本所有して、混ぜずに使っていること。といっても4本のうち1本は温泉付き客室専用、もう1本は有料(50分2200円)の貸切風呂専用。だからただ泊まっただけでは2本しか入れない。私の場合はさすがに温泉付きの客室に泊まる予算はなかったので、貸切風呂だけGOTOトラベルの商品券を使って入った。
最初に入ったのがその貸切風呂「まどか」。雨の日は濁りが強く出るという。この日も雨だった。ぬるいのでお湯を足しているので止めてもいいと言われて浴室に行ったので、てっきり源泉がぬるめなのかと思ったらそんなことはない、49度もあった。湯舟では41~42度程度。
うっすら足の見えるミルキーな濁り具合で、群青色を薄めたような色合いだ。山の温泉らしい削りたての硫黄のようなにおいがして、味は薄めたレモンのよう。夫は髭剃り跡が染みると言っていた。肌触りは特に特徴なし。
浴槽は座りやすいいい位置にいくつも石を設置してあるのがいい。庭木にお湯をかけるなの張り紙有り。湯上りは肌が生き返ったように瑞々しくなる。
なおこの貸切風呂「まどか」はゆやど雲仙新湯の第一源泉らしいが分析表は見当たらなかった。
次に第2源泉を使った大浴場。女湯は「りざれ」、男湯は「香仙翔(かせんしょう)」という。男女のネーミングの差がよくわからん。
「りざれ」には以前はシャンプーバーと化粧水などの設置があったようだが、コロナ禍で撤去されて今は浴室にはシャンプー、リンス、ボディーソープ、フェイスソープの備え付けのみ。
変わった造りのドアはロマンティックな仕様。窓際に内湯があるが赤い椅子の奥も昔は浴槽だったのだろうか。
先に露天風呂に出てみるとお湯が無色透明に見えた。公式サイトでは半透明という表記だったが、今日は濁りが薄いのかな。においなし。味なし。少しキシつきはあるような…。湯口が3つあるがそれぞれの違いはよくわからない。
一方内湯は湯口一つで空気に触れないように注がれる。当然露天風呂と同じなのだろうと思ったら、内湯には細かい泡付きがある。そして湯上りはやけにつるつるする。
ちなみにここで使われている第2源泉はpH2.2のかなりの酸性泉なのだが、ちょっと薄めすぎなのではないかと感じた。
最後に第3源泉を使った地下の大浴場は、男湯「絹笠(きぬがさ)の湯」と女湯「佳宵(かしょう)の湯」。高濃度源泉を掛け流しにしていて白濁しているというのが売りだ。
うっすらと足が見える程度の濁りは貸切風呂と似ている。色やにおいも貸切風呂を気持ち薄くしたような感じ。内湯と露天風呂は繋がったウォークスルーの作りになっているのが珍しい。支配人曰く、こういうお風呂は今はもう決まりで作ることができないそうだ。
なお、地下の大浴場にはpH2.2の酸性―アルミニウム―硫酸塩泉と単純硫黄泉の2枚の分析表が貼られていたが、こちらの源泉は単純硫黄泉の方。
「佳宵の湯」の露天風呂は庭園風で雰囲気が良い。源泉湯口は露天風呂側にあり、この湯口の近くには硫黄のにおいがプンプン。浴槽内から温度調節のための加熱水道水が注入されているが、湯口からは源泉が出ている。それで全体としては薄い感じになっちゃうが、湯口の近くにいると本来の温泉のパワーが感じられる。このお風呂は湯口のそばに陣取るのが正解らしい。