子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ お湯は熱くない
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★☆☆☆ ホテルだが日帰り温泉としても気軽に利用できる
子連れ家族のための温泉ポイント
長崎市内観光の今日のホテルをアマンディに決めたのは、とにかく温泉があったからだ。
最初は長崎市で泊まるとしたら駅近くのビジネスホテルあたりかなと適当に考えていた。雲仙や小浜などと違って、長崎市と温泉と言うのは結びつかなかったからだ。
宿を探しているうちに稲佐山温泉の名前が目にとまった。
温泉で、しかも夜景が凄いらしい。
長崎の夜景は日本三大夜景の一つと数えられる。
夜景スポットは市内の街並みを見下ろす稲佐山であり、その稲佐山の中腹にアマンディは位置する。
値段はビジネスホテルと比べればちよっと高いが、それでも付加価値を考えるとリーズナブルと言ってよい。
不便な場所への移動は子連れで車無しとなると厳しいが、稲佐山温泉アマンディは朝8時過ぎから夜10時過ぎまで一時間に二本の送迎バスを無料で運行している。
これは稲佐山温泉ホテルアマンディが宿泊だけでなく日帰り温泉を営業しているからだ。
というよりむしろ、このアマンディは宿泊以上に日帰り温泉としての知名度の方が高いのかもしれない。
温泉そのものは期待できないかもしれないが、泊まる宿に温泉があるだけで嬉しい。
しかも部屋からは日本三大夜景の星の海が。
ちょっと期待してしまうではないか。
出島ワーフで夕食を終えて、ホテルアマンディの送迎バスに乗車したのは夜8時半。
送迎車は緩いカーブを曲がりながら高度を上げていく。
時々後ろを振り返ると、ちらちらと街の灯りが見えたり隠れたり。
大きく左にカーブしたと思ったら、稲佐山温泉ホテルアマンディの駐車場入り口だった。
ミニバンは駐車場には入らず入り口でUターンするとホテルの入り口前で停止した。
荷物を抱えて車を降りて、ホテルの中に入ると広いロビーがあり、正面がフロントだった。絨緞敷きのロビーは土足厳禁。ロッカーに靴を仕舞って、スリッパ又は靴下のままで移動するようだ。
最初はあれっと違和感があった。
アマンディの公式ウェブサイトやリーフレットで見た時は、随分と洒落たリゾートホテルという印象を持っていたが、そのロビーはどちらかというと大衆的な日帰り温泉という感じだったからだ。
別に洒落ていないというわけではないのだけれど、何となく庶民的だ。
まあ我が家が泊まれるくらいのお値段なのだからそれを考えれば十分だが。
左手にロータスというレストランの入り口が見えた。
レストランからの眺めも良さそうだ。
チェックインはスムーズだった。
料金は前払い。素泊まりだが、やれレストランのソフトドリンクサービス券だとか、ネットライブラリー2時間フリー券だとか、岩盤浴・エステなどの割引券だとかいろいろ渡された。
部屋は7階。オーシャンビューとマウンテンビューとあるが、オーシャンビューで予約している。
今日のハイライトはここだよねとか娘と言いながら、部屋のドアを開けた。
和洋室のツインルームで、部屋の左手には低いツインベッド。右手には一人分の布団が敷いてある。
ベッドと布団があるとはいえ、十分なスペースが確保されており狭くは無い。
ロビーの雰囲気と比べれば、部屋の内装は洗練されている。
何より正面が広い窓で、カーテンを開け放てばまるで星の海。
言葉を失うようだ。
港に添って点在する灯り、停泊する船、背後の斜面の灯り、ここに来て何故に長崎の夜景が日本三大夜景と称されるか判った。
港に向かってすぼまった地形が立体的な効果を出し、それが密集するイルミネーションになって海に映り込んでいる。
部屋の電気は消し、三人でベッドにに寝転んで、しばし地上の銀河を鑑賞。
稲佐山温泉ホテルアマンディは、ホテルとしてより日帰り温泉としての利用の方が多そうだけれど、部屋から堪能できるこの夜景を独占したかったら、やはり宿泊しないとと思った。
稲佐山温泉ホテルアマンディの浴室は、バリ風と和風の二つがある。週単位で男女入れ替え制なのだが、この日女湯はバリ風だった。
部屋のとても洒落ていた様子からすると、浴室に至るまでのルートは、またもやロビーやフロントのような大衆的な作りに思えた。
大々的に日帰り温泉として売り出しているだけあって、畳の休憩室なども完備しているが、思ったほど浴室は広くは無かった。
浴室の中央に御影石でできた円形の浴槽があるのがちょっと変わっている。
それほど大きいものではなく、向かい合って3、4人といったところか。
浴室内には他にも浴槽があったが、どの辺がバリ風なのかよく判らなかった。
露天風呂は二つ。
こちらは両方ともバリを意識しているのがよく判る。
片方には水瓶を支え持つ女性の石膏像が二体、もう片方には象の頭を持つヒンドゥー教のガネーシャ神が一体飾られている。
でもバリ風なのはそのくらいだ。
今は夜で暗いからよく判らないだけで、昼間明るい所で見たらもっとバリ風なのかもしれない。
わずかにきしつきのあるお湯は、カルキの臭いがきつすぎるのが残念。
20度の冷鉱泉を加水無し、加熱循環して使用している無色透明のメタケイ泉だ。
でもここはもう、長崎の町中から近い夜景スポットのお手軽日帰り温泉と割り切れば十分なスペックだ。
そういえば昼間路面電車に乗っているとき、長崎駅の隣の電停の車内放送で、天然温泉のコナミって言ってたっけ。スポーツクラブが天然温泉付きっていうのは近所なら嬉しいな。あっちも日帰り利用ができるようだし、市内から行く温泉としてはどっちがいいのだろう。
露天風呂の湯口は最初は沈黙していたが、そのうちどぼどぼとお湯が出て来て、またしばらくしたらぴたりと止まった。
露天風呂は他に誰もいなかったので、のんびりと入らせてもらった。
やっぱりなんだかんだいって、泊まるのは温泉がいいな。