子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 冷たい浴槽と温かい浴槽
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ ベビーベッドはないが、脱衣所にベンチあり
子連れ家族のための温泉ポイント
とっても良かった。お気に入り温泉の一つになった。そのくらい良かった。
中山道の三大難所の一つ「木曽の棧」の近くにあるので「棧温泉」。ここは木曽川に架かる赤い橋を渡るとすぐの秘湯。
フレンドリーな女将さんは、話し出すと止まらない。チェックイン時に夫が「お風呂が楽しみです」と言ったら、「ぜひ交互浴して!」と。
こちらの温泉は13度程度の冷鉱泉で、源泉そのままの冷たい浴槽と加熱した浴槽の2つを浴室に並べてあるのだ。二つの浴槽は隣り合っているので、温かい方に人が入るとオーバーフローして冷たい方にも流れ込む。男湯は日帰りのお客さんが何人か入った後なので、今は少し温かくなっているそう。
で、女湯は?といえば…「今日は日帰りのお客さんが来ていないからきっと冷たいわよ」。
ひ~。
お風呂までの通路はなかなか遠い。廊下を下って、途中で階段を登って…なかなか浴室に着かない。
そして浴室に着いてびっくり!なんか病院みたいなカーテンが洗い場と浴槽を仕切っているんだが!?
このカーテンは男湯に無かったそう。よく考えると洗い場のシャワーの飛沫が浴槽に入らないようにしていわけで、簡単な仕組みだけで合理的ではある。でもやっぱりびっくりするよ、お風呂のあのカーテンは。
浴槽は奥が冷たい源泉、計ってみると19.5度と分析書よりはかなり温かい。いや、でも入るにはとても冷たいよ、20度を切っているわけだし。
隣の加熱浴槽は42.4度とちょうどよい温かさ。水風呂に入ってガタガタ震えた後でも、しっかり温めてくれそう。
温度の違うこの二つのお湯は、色合いは異なるもののどちらも緑茶色で濁っている。非加熱源泉の冷たい方は、入ると段差に沈んでいた赤茶色の鉄分の粉がもわもわ~っと舞い上がる。
最初に冷たい源泉に入った。水風呂の苦手な私は通常は20度のお風呂なんて簡単には入れない。それがここはわりとすんなり入れた。最初は冷たいと感じるが、20秒ぐらい経つとフッと冷たさが消え、なぜか不感浴みたいになる。
水道水の水風呂なんかだと、このあとまた冷たくなるタイミングが来るが、このお風呂はずっと来ない。不思議だ、寒くない。20度無いはずなのに。いつまでも入っていられそうなところが、逆に怖い。
肌の表面に炭酸のアワがびっしりと付いているので、それが温度を遮断しているのかな。二酸化炭素の血管拡張作用だけでは説明しきれないほど寒くない。自分の吐く息も冷たくならず温かいまま。でも手を出して頬に触れてみると死人の手のように冷たい。そりゃそうか。
においは鮮度の良い鉄臭。味は鉄と炭酸のじゅわっとした刺激の他に、渋みがあって美味しくはない。お湯の中にも細かいアワと鉄分の赤茶色の粒が漂っているのが見える。
このあと加熱浴槽に移動した。
急激な温度変化。末端から全身へと刺激的にしびれまくって、全身がクリームソーダになったみたい。自分自身が炭酸になって沸騰してるみたい。
加熱浴槽の方は金属臭に加えて土のようなにおいもする。これは交互浴するのがくせになるね。
私が自分のペースで二つの浴槽を行ったり来たりしていたら、後から入ってきた登山客のおばさま3人組が、冷たい方に入っている私の方に、良かれと思って次々と温かい方のお湯をザブザブ送ってくれる。
ああああああああ~違うんですよ、違うんですよ、お願い入れないで~
お部屋や食事など、お風呂以外の話はYahoo!ニュースエキスパートの記事に書いたので、宜しければそちらもご覧ください ⇒アワシュワ天然炭酸泉の濁り湯でととのう!長野県の秘湯「棧(かけはし)温泉」