加賀井温泉 一陽館

湯治向けの日帰り温泉

  • 所在地 長野県長野市松代町東条55 TEL 026-278-2016
  • 泉質 露天風呂 含二酸化炭素―ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉(高張性中性温泉) 源泉名:1号井、内湯 含二酸化炭素・鉄(II)―ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉(高張性中性温泉) 源泉名:3号井
  • 営業時間 8時~19時
  • 定休日 火曜日
  • 入浴料 大人500円
  • 設備等 男女別内湯、混浴露天風呂など
  • 公式サイトURL  https://www.facebook.com/ICHIYOKAN/?locale=ja_JP
[2023年3月のデータ ただし営業時間、入浴料等は2024年4月のデータ]

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  • 温度★★★★★ 泉質★★★★☆   
  • 設備----- 雰囲気★★★☆☆ 子供向けではないと思う

加賀井温泉 一陽館 体験レポート


敷地内絶対撮影禁止。ここまで厳しいところはなかなかない。同様に厳しい栃木県の某温泉も正式に取材を申し込んでくれたら検討すると言っていたし、神奈川県の某温泉も観光スポットとしての紹介は不可だけど、療養施設としての紹介や歴史面での紹介なら考えると言ってくれたけど、加賀井温泉は完全に不可。

というのは、この場合の取材はお互いにwin-winでないと成り立たないが(事件の取材とかではないのだから)、PR的な取材は加賀井温泉側に何のメリットももたらさないから。

ご主人は仰った。ここは湯治目的で必要とする人のために営業している。それを軸足に置いているため、これ以上来館者の人数を増やすつもりはない。営利目的じゃないから。自分は別に本業があって、温泉で儲けようとはまったく思っていないと。

というわけで、基本的には施設の写真はなし。代わりに途中途中の看板などを挟みつつ、文章で「加賀井温泉 一陽館」を紹介したい。


加賀井温泉は昔から行きたい!行かねばと思っていたところの一つで、でもなかなか機会が無かった。この時はたまたま通り道に近く、何が何でも寄ってけと夫を説得できた。

初めて来たというと、受付の女性が説明しながら案内してくれる。内湯は男女別だが、露天風呂は混浴。でも湯あみ着を着てどうぞと言われる。


内湯は長方形の浴槽で、入り方が決まっている。まず湯口と遠い下流の方でしっかり掛け湯をし、下流から入り、少し経ったら上流へ移動してよい。温泉の炭酸成分が汚れを落としてくれるので、石鹸は不要なのだそうだ。

内湯のお湯の印象は、緑と茶色のうす濁り。沈めた手の先は見えない程度の濁り湯になっている。説明で41度と言われた割には、入った瞬間からもっと高い温度に感じられ、すぐにのぼせそうになる。実際の温度を考えると、こんなに即効でのぼせそうになるのはあり得ないと思うほど。

最初に金属臭。後追いで、少し土のにおい。肌触りはぎっちり軋む。

熱くはないのですんなり入れるが、温泉が濃厚なのでビリビリと刺激がある。少し入っているだけで、お湯の中にいる間から足が少しチリチリする。炭酸成分が多い割には泡は付かないように思える。

湯口のお湯は猛烈にしょっぱ苦い中に、じゅわっとするような炭酸の刺激があり、この組み合わせは新鮮な驚き。


次に露天風呂に移動してみた。露天は浴槽が2つあり、ぬるい源泉の浴槽と、ぬるい方に内湯の少し温かい源泉を混ぜたミックスの浴槽がある。ぬるい源泉単独の方は、濃いオレンジ色が強烈な濁り湯。ミックスはそれより少し濁りが薄く、緑色が入る。

鉄分と思われる茶色の粒が湯口の下にたくさん浮いている。露天風呂の段差は小さ目で座りにくいが、これは上の段に析出物が成長してかぶさるようになっているから。湯船の底も析出物で全面的にコーティングされているような手触り。

露天風呂の2つの浴槽を入り比べると、温度の違いがよく感じられる。途中でご主人が露天風呂の頭上の扇風機を回した。扇風機を回すと羽虫がホバリングできなくなるので虫が追い払えるのだそうだ。また炭酸=二酸化炭素は空気より重く、放っておくと湯船の表面に溜まり入浴者が息苦しくなるという。そんなに炭酸が濃いのか。

実際に扇風機が回り出すと、呼吸が楽になった。扇風機が無かった頃は、入浴者は時々息をするために立ったという。へえー。


ちなみに加賀井温泉の近くに松代温泉 国民宿舎 松代荘という温泉宿がある。加賀井温泉も温泉地的には松代温泉なのかと思ったが、温泉の歴史はこちらの方が古く、さらに誇りを持って加賀井温泉を名乗っているのでそれを変えるつもりはないそう。

加賀井温泉の歴史を紐解くと、280年前に加賀井(近隣の地名)の人々が松代藩に温泉利用を願い出た懇願書が長野市に残されているという。つまり当時から、この辺りには少し掘るとぬるい温泉が湧き出ていたということ。そして加賀井の人々へのリスペクトから加賀井温泉は名付けられた。

一陽館ができたのは昭和5年。一方、松代荘の源泉は地震の後の調査で掘って湧いたもの。加賀井温泉と距離が近いから最初は温泉としての認可が下りなかったが、加賀井温泉側がOKしたので温泉施設として営業を始めた。加賀井温泉と違って深く掘りすぎているからお湯の温度も高くなりすぎて、そのまま入るのには適さない。

そうして考えると、湧いたそのままぬるめ適温で入れる加賀井温泉の凄さがわかる。温度のことも考慮して、深さも決めているわけだ。


ご主人曰く、明日頑張る体力回復にうちの温泉を使ってほしいと。つまりレッドブルのようなもの。レッドブルを飲むか、加賀井温泉に入るか。

成分には炭酸が多く含まれているが、揮発する前の炭酸がお湯の中に細かく混ざっているから、量の割にしゅわしゅわしないと。またここのお湯は炭酸の力で自噴して、湧出地から5mと離れていないので抜ける前に浴槽に注がれる。

普通のお湯は体の表面のみ温めるが、炭酸は血の巡りを上げ、体を中から温めてくれる。わかる。気持ちよくじわーっと温まるんだよね。

加賀井温泉には炭酸のほかにもうひとつ、塩分の濃さという特徴もある。高張性、つまり浸透圧が高い。これも血液やリンパに作用して、体を中から温める秘訣。

つまり、加賀井温泉は炭酸と塩分が濃く、その両方が体を中から温めて自ら体の状態を改善することができる。自分で自分を治すスイッチを入れるのだと。

以上のお話はご主人から伺った。日々、本業とは別にそんな温泉の管理をしているわけで、誰かが必要としていると思わなければやっていられないかもしれない。入浴に来た私は、ただ感謝して入るのみ。


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