子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 泉質は刺激などは特に無し、湯の温度も適当
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 立ち寄り湯は昼食プランのみ、脱衣所にベビーベッド完備
子連れ家族のための温泉ポイント
昼神温泉は、古く250年前の古書にもその存在が記されているという。が、その後温泉は失われ、長い年月が過ぎた。
今の温泉は、昭和48年、旧国鉄のトンネルを試削していたところ、突然湯が湧き出し、発見されたものだ。
温泉の多い長野県でも、木曽・伊那エリアは旧街道沿いに史跡等の見所が多く、また中央アルプスと南アルプスに挟まれた自然景観にも恵まれた地域でありながら、湧出量が少なく湯の温度も低い冷鉱泉が多かったため、湯量にも湯の温度にも恵まれた昼神は、瞬く間に大型ホテルを含む二十数軒の宿泊施設を備える一大観光基地となった。
とはいえ、温泉地としての歴史は浅く、あくまでも山間の温泉地であり歓楽街があるわけではないので、夜などは静かだ。むしろ、名物としてがんばっている朝市の立つ朝の方が賑わう。
湯元ホテル阿智川は、昼神温泉の湯が湧いたトンネル跡源泉に最も近い宿だ。客室数は118室で、かなりの大型ホテルになる。平日でもチェックイン時間を過ぎると、画像のように大型観光バスが次々到着し、大勢の客が自慢の庭園露天風呂を楽しもうと、ぞろぞろとロビーに吸い込まれていく。
私たちは、JTBエースツアーの湯巡りパスポートで夕方、立ち寄り利用させていただいたが、通常はランチタイム以外の立ち寄り入浴は受け付けていないようである。
利用させていただいたのは、午後4時頃で、既にチェックイン時間は過ぎているが、ツアー客は4時半を過ぎたころからどっと到着するようで、幸いこのときはお風呂は空いていた。女湯で先客数人、男湯は貸しきり状態だったそうだ。
ロビーでは、子供用のスリッパをわざわざ捜しに行ってくれたり、宿泊客でもないのに、丁寧な対応を受けた。ちょっとした心遣いが嬉しかったりする。
脱衣所は、巨大ホテルらしく、ロッカーがずらりと並び、またベビーベッドなどの設備も整っている。
内湯も広々としているが、泡風呂が幅を利かせている。
露天風呂は、岩風呂だ。ちょっと何でもかんでも置き過ぎてごちゃごちゃしている日本庭園と、野趣あふれる大岩をごろごろと配置した風呂のミックス状態だ。広さもあり、湯も熱すぎない。深さもそれほど深くないので子供と一緒に入りやすいかもしれない。
画像は男湯だが、女湯の岩風呂は、三本も打たせ湯らしいパイプと、さらにそのそばに湯口がある。この湯口の湯は源泉だが、露天風呂の浴槽内は一部循環しているらしい。昼神にはこのパターンが多い。湯量はあるが、温度が心持ち低い(40度)ので、露天風呂や浴槽を大きくした場合、沸かしが必要なのかもしれない。
にゅるにゅる感は、まあまああるが、先に入った同じ昼神温泉の日長庵 桂月に比べると少し弱い感じ。
軽い硫黄臭と、薄めのゆで卵っぽい味がする。
女湯は岩風呂の岩の上に大きな聖母観音が立っている。観音様の足元が洞窟風呂の入り口になっている(男湯は観音様はいないが、洞窟風呂はちゃんとある)。
足元を見ると、洞窟からあふれる湯がそのまま岩風呂に流れ込んでいる。洞窟の方が湯の上流に当たるのだ。
洞窟は薄暗い。源泉を掘り当てたトンネル掘削現場を模しているのかもしれない。湯は露天風呂よりにゅるにゅる感がある。洞窟は源泉浴槽のように思われる。
二歳の次女は薄暗く閉塞感のある洞窟をかなり怖がった。
あがったら、入れ違いに脱衣所にどっと人がなだれ込んできた。ツアー客が着きはじめたのだろう、たくさん並んだロッカーも、あっという間に埋められていく。タッチの差でゆっくりできたようだ。危ないところだった。
なお、このときは、他に同じ昼神温泉の、日長庵 桂月に立ち寄りし、湯多利の里伊那華に宿泊した。
昼神温泉はどこも、湯上がりはかなりすべすべする美人の湯だ。