子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ お湯はぬるめの浴槽あり。
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
宮崎県の西諸県郡(にしもろたかぐん) って、高原町(たかはるちょう)しか存在しないのね。もともとは複数の町村から成り立っていたけど、明治時代以降町村合併や郡からの離脱が行われて、平成22年に野尻町が隣接する小林市に編入して以来、高原町オンリーに。
その西諸県郡自体、明治時代には鹿児島から宮崎に、また鹿児島に、さらに宮崎に管轄が移っている。アルザス・ロレーヌか!? 翻弄されている感じ。
実際私もここに来る時に、宮崎県えびの市に泊まって、鹿児島県湧水町の温泉に入って、また宮崎県小林市の温泉に入って、鹿児島県霧島市に泊まって、宮崎県のここに来た。県境を行ったり来たり。
さて、その西諸県郡高原町の極楽温泉 匠の宿は瀟洒な雰囲気の旅館だけど、朝早くから立より入浴は可能。回数券などもあり、地元の人が日常的に使うお風呂としても想定されているよう。
受付周辺も蔵のような土間で、和モダンな雰囲気。ただし綺麗で設備が整っているのに入場料が手ごろであるぶん、シャンプー、ボディーソープ類の備え付けはなく、必要な人は受付で購入するようになっている。
内湯の浴槽は大きな石をくりぬいた珍しいもの。そこに明るい黄色というか、オレンジ色のお湯がたっぷり入っている。この色の鮮やかさにびっくり。
さらにそこから繋がった小部屋のような内湯があり、ほぼ水風呂といってよい浴槽が2つ。
このうち手前の透明な水風呂は名水を使ったお風呂。そして奥が天然高濃度炭酸鉄泉となっている。おそらくオレンジ色の温泉を非加熱で入れているのではないだろうか。あまり空気に触れていないからまだオレンジ色になっていないと思われる。
どちらかというと、澄まし汁のような淡い濁り。
またこのほかに露天風呂とサウナがあり、露天風呂には内湯と同じ色のオレンジのお湯がぬるめで入っている。
まず露天風呂から入ってみた。鉄臭が凄い。オレンジの色の元はこれ、酸化した鉄だ。肌触りはキシつく。ぬるいからこそゆっくり入れる。
次に小部屋の天然高濃度炭酸泉に行くが、18.6度と冷たすぎ。ひゃっと飛び上がってしまう。足を膝まで入れたところで一回目は惜しくも撤退。この時点では、肌にアワが瞬時に付くという感じではなかった。
しばらく内湯で温まり、再チャレンジ!今度は腰まで入れる。しばらく入っていると、細かいアワが付き始める。しかしまだ冷たすぎて、アワを払って楽しむ余裕は無し。
もう一度内湯に温まりに行く。この時初めて飲泉設備に気づいて源泉を飲んでみる。鉄味が強く、血の味のようだが思った以上に炭酸がばっちり効いているのでかなり美味しい。パチパチシュワシュワと刺激的。後味は金属の苦みが尾を引く。
その後も何度か内湯とほぼ水風呂の高濃度炭酸泉を行き来して、最後は肩まで入れるようになった。
湯上がりは頭がスッキリとさえわたり、手足の毛細血管が拡張して全身がぼわーっとしびれている。サウナには入っていないんだけどサウナ以上にととのえそう。温熱交互浴×高濃度炭酸泉効果で忘れがたい温泉になった。