子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★★ 湯温は適温、泉質は特に刺激なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆
子連れ家族のための温泉ポイント
温泉としての開湯は古いが、鉱山開発のために一度枯渇した歴史を持つ。
現在の湯ノ口温泉は昭和50年代に新たにボーリングして発見されたものだ。
国民保養温泉地の指定を受けているが、今も山の中の湯治場といった鄙びた雰囲気を残している。
紀伊半島で仕事をしていたことがあるという友人のしげさんの案内でとっぷりと日の暮れた山道を跳ばしていると、本当にこの先に温泉があるのだろうかという気になってくる。
瀞流荘と書かれた建物が見えて、しげさんが「湯元湯ノ口温泉が休みの時は瀞流荘で入浴させてもらえるんだ」と教えてくれた。
この瀞流荘からおもちゃのようなトロッコ電車に乗って、およそ10分ほどで目指す湯元山荘湯ノ口温泉に行くこともできるのだが、もう夜なので電車は動いていない。そのまま車でアクセスすることにした。
もう閉館時間が近かったが、駐車場には何台か車が停まっている。
お風呂にも地元の方なのか湯治中の方なのか、年輩のおばさま方が何人もいらした。
内湯と露天風呂とあって、どちらも岩で囲まれた長方形の浴槽だ。
もう暗いので景色は何も見えないが、露天風呂で夜風に当たっていると時間が過ぎるのも気づかなかった。
ふと見回すと、自分たちの他にもう誰もいない。
急いであがると閉館時間だった。
駐車場から暗闇の中に立つ櫓が見えた。あそこから源泉を汲み上げているのだろうか。
南紀旅行の中でも情景が印象に残る温泉のひとつ。